9日の米国株式市場で、ダウ工業株30種平均は反落した。前日比40ドル73セント(0.4%)安の9899ドル25セントで終えた。ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日続落し、11.72ポイント(0.5%)安の2158.85と、2月10日以来の安値で終えた。買い先行で始まったエネルギー株が戻り待ちの売りに押されて下落に転じ、相場全体を押し下げた。
エネルギー株は配当停止の思惑が出た英石油大手BPの米預託証券(ADR)の急落もマイナス要因だった。ドイツのメルケル首相が同国の景気刺激策の終了を示唆したと午後に伝わった。外国為替市場でユーロが対ドルで伸び悩んだこともあり、欧州の財政や景気の先行き不透明感が強まり、市場心理が悪化して売りが出た面もあった。
一方、午前は買いが優勢だった。中国の5月の輸出が大幅増になったとの報道を受け、原油先物相場が高く推移した。素材株などへの買いが優勢になり、ダウ平均は一時120ドル超上昇した。
バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長は同日、下院予算委員会で証言し、米景気は緩やかな回復が続くとの見通しを示した。週初に米景気が二番底に陥る可能性は低いとの見方を示していたこととあわせ、米景気の押し下げ懸念が和らぎ、相場の支援材料になる場面があった。
業種別S&P500種株価指数(全10業種)は「エネルギー」「金融」など9業種が下落。一方、「消費循環」が横ばいだった。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約17 億株(速報値)、ナスダック市場は約22億1000万株(同)だった。
ダウ平均の構成銘柄では、米銀大手バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)やJPモルガン・チェース、石油大手エクソンモービルの下げが目立った。
BPのADRは15%安。前日夕に、4〜6月期の業績見通しの下限を上方修正した通信系半導体大手のテキサス・インスツルメンツ(TI)は相場全体の下げにつれて下げた。
一方、増配を発表した建設機械大手のキャタピラーが小幅高。4〜6月期の1株利益見通しを引き上げたアパート開発・運営のアバロンベイ・コミュニティーズが上げた。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:9899.25 前日比:‐40.73
始値:9941.57 高値:10065.14 安値:9867.73
年初来高値:11258.01 年初来安値:9757.55
ナスダック総合指数
終値:2158.85 前日比:‐11.72
始値:2184.78 高値:2208.65 安値:2152.67
年初来高値:2535.28 年初来安値:2100.17
S&P総合500種指数
終値:1055.69 前日比:‐6.31
始値:1062.75 高値:1077.74 安値:1052.25
年初来高値:1219.80 年初来安値:1040.78
米30年国債:4.110% 米10年国債:3.178%
シカゴ日経平均先物6月限(ドル建て)終値 9490 (+10) 大証終値比
シカゴ日経平均先物6月限(円建て) 終値 9485 (+5) 大証終値比
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