14日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は小幅ながら3営業日ぶりに反落し、前週末比20ドル18セント(0.2%)安の1万0190ドル89セントで終えた。午後に格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスがギリシャ国債を「投機的」とされる等級へ格下げした。欧州の財政問題の根深さが意識され、高く推移していたダウ平均は取引終了間際に下げに転じた。
ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は小幅に3日続伸し、同0.36ポイント(0.0%)高の2243.96で終えた。
午前は買いが先行し、ダウ平均の上げ幅は110ドルを超える場面があった。ユーロ圏の4月の鉱工業生産指数が市場予想を上回って上昇したことなどから、欧州や世界の景気回復が遅れるとの過度の懸念が和らいだ。
セントルイス連銀のブラード総裁が東京で講演し、今後もアジア諸国がけん引する形で世界景気の回復が続くとの認識を示したことも一時、相場を支えた。
業種別S&P500種株価指数(全10業種)は「素材」「金融」など6業種が下落。一方、「公益」など4業種が上昇した。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約11億 4000万株(速報値)、ナスダック市場は約18億4000万株(同)と比較的薄商いだった。
メキシコ湾での原油流出事故に絡んだ費用捻出のために、配当停止の思惑が広がっている英石油大手BPの米預託証券(ADR)が10%近く下落。ダウ平均の構成銘柄では米銀大手JPモルガン・チェースの下げが目立った。メキシコの肥料会社グルーポ・フェルティナル買収に向けて交渉していると報じられた肥料大手モザイクが安い。
一方、世界景気への過度の懸念が後退したことから、建設機械大手キャタピラーなどが高い。ケーブルテレビ会社のブレスナン・コミュニケーションズを買収すると発表した同業大手ケーブルビジョン・システムズが上昇。投資週刊紙バロンズが業績や株価の先行きに楽観的な記事を掲載した半導体大手サンディスクが大幅高だった。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10190.89 前日比:‐20.18
始値:10211.83 高値:10328.67 安値:10186.21
年初来高値:11258.01 年初来安値:9757.55
ナスダック総合指数
終値:2243.96 前日比:0.36
始値:2263.66 高値:2278.96 安値:2242.00
年初来高値:2535.28 年初来安値:2100.17
S&P総合500種指数
終値:1089.63 前日比:‐1.97
始値:1095.00 高値:1105.91 安値:1089.03
年初来高値:1219.80 年初来安値:1040.78
米30年国債:4.186% 米10年国債:3.262%
シカゴ日経平均先物9月限(ドル建て)終値 9890 (+10) 大証終値比
シカゴ日経平均先物9月限(円建て) 終値 9840 (‐40) 大証終値比
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