22日の米国株式市場は大幅に反発し、ダウ工業株30種平均は前日比201ドル77セント高の1万0322ドル30セントで終えた。建設機械大手キャタピラーや化学大手スリーエムなどが相次いで予想を上回る決算と業績見通しの引き上げを発表。米企業業績の底堅さが今後も続くとの期待から、景気敏感株を中心に幅広い銘柄に買いが優勢となった。6月の米中古住宅販売件数が前月比で市場予想ほど減少しなかったことも好感された。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は同58.56ポイント高の2245.89で終えた。
建設機械大手キャタピラーや化学大手スリーエム、貨物大手UPSが市場予想を上回る4~6月期決算を発表し、併せて1株利益見通しの引き上げを発表した。製薬大手イーライ・リリーは1株利益見通しを引き上げ、フィンランドの携帯電話機大手ノキアは決算資料で新製品に対する自信を示した。企業業績の堅調さが続くとの期待が広がり、買いが活発になった。
午前の中ごろに発表された6月の米中古住宅販売件数は前月比で市場予想ほど減らなかった。このところ強まっていた住宅市場の低迷長期化懸念がやや後退し、買い安心感を誘った。前日に大幅安となった後とあって、値ごろ感から買いも入りやすかった。
業種別S&P500種株価指数は全10種が上昇。「一般産業」や「金融」、「消費循環」がそれぞれ3%上昇した。ダウ平均構成銘柄は全30銘柄のうち、決算と併せて1株利益見通しを実質的に引き下げた保険大手トラベラーズなどを除く27銘柄が上昇した。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約11 億7000万株(速報値)、ナスダック市場(同)は約21億5000万株だった。
キャタピラーは2%弱、スリーエムは3%上昇した。UPSは5%の大幅高。ノキアの米預託証券(ADR)は4%上昇。決算で一株利益が市場予想を上回った通信大手AT&Tは2%上げた。決算がほぼ予想通りだった製薬大手ブリストル・マイヤーズスクイブも高い。前日夕に発表した決算が予想以上だったネット競売大手イーベイや携帯電話向け技術開発のクアルコムがしっかり。決算が小幅増益だったクレディ・スイスのADRは小高い。
一方、トラベラーズが1%下落。前日夕に決算と同時に発表した利益見通しがやや慎重と受け止められたコーヒーチェーン大手スターバックスは小幅安。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10322.30 前日比:201.77
始値:10121.81 高値:10363.24 安値:10121.81
年初来高値:11258.01 年初来安値:9614.32
ナスダック総合指数
終値:2245.89 前日比:58.56
始値:2216.04 高値:2251.42 安値:2216.04
年初来高値:2535.28 年初来安値:2061.14
S&P総合500種指数
終値:1093.67 前日比:24.08
始値:1072.14 高値:1097.50 安値:1072.14
年初来高値:1219.80 年初来安値:1010.91
米 30年国債:3.950% 米10年国債:2.932%
シカゴ日経平均先物9月限(ドル建て)終値 9350 (+150) 大証終値比
シカゴ日経平均先物9月限(円建て) 終値 9345 (+145) 大証終値比
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