27日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに大幅反発し、前日比284ドル54セント高の1万0258ドル99セントで終えた。「中国がユーロ圏の国債保有を見直す」という前日の英紙報道を中国当局が否定したことでユーロ相場や欧州景気を巡る不透明感が後退し、株式への買い安心感を誘った。
ダウ平均は一時290ドル近く上昇し、ほぼ高値圏で終えた。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数も4日ぶりに反発し、81.80ポイント高の2277.68で終えた。
中国による報道否定を受け、外国為替市場でユーロが対ドルで反発。市場参加者の関心が高いユーロ相場がひとまず下げ止まったことは投資家心理を改善させた。原油先物相場の大幅高を好感して石油株や素材株が買われたほか、金融株の上昇も相場を押し上げた。
ダウ平均は前日、終値で約3カ月半ぶりに1万ドルを割り込んでおり、値ごろ感からの買いや自律反発狙いの買いも入った。ダウ平均の構成銘柄では、製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)を除く29種が上昇した。
同日朝発表の1〜3月期の米実質国内総生産(GDP)改定値は前期比年率 3.0%増と、市場予想に反して速報値(3.2%増)から下方修正されたが、相場の反応は限定的だった。
業種別S&P500種株価指数は「金融」「エネルギー」などの上昇が目立ち、全10業種が上昇した。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約14億2000万株(速報値)、ナスダック市場は約23億2000万株(同)だった。
朝方発表の2〜4月期決算が市場予想を上回り、通期の1株利益見通しを引き上げた宝飾品のティファニーが7%超上昇。四半期決算内容が市場予想を上回った会員制卸売りのコストコ・ホールセールも大幅高。ダウ平均の構成銘柄では、クレジットカードのアメリカン・エキスプレス(アメックス)が5%超上げ、上昇率首位。アナリストが投資判断を引き上げたマイクロソフトも大幅高。
米銀大手のシティグループが高い。米財省が前日、保有する同社普通株の一部を売却したと発表したほか、著名投資家が同社株式の取得を明らかにした。
一方、通期の1株利益見通しを下方修正した農業製品大手のモンサントが大幅安だった。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10258.99 前日比:284.54
始値:9971.73 高値:10264.20 安値:9971.73
年初来高値:11258.01 年初来安値:9774.48
ナスダック総合指数
終値:2277.68 前日比:81.80
始値:2244.82 高値:2278.37 安値:2239.72
年初来高値:2535.28 年初来安値:2100.17
S&P総合500種指数
終値:1103.06 前日比:35.11
始値:1074.27 高値:1103.52 安値:1074.27
年初来高値:1219.80 年初来安値:1040.78
米30年国債:4.253% 米10年国債:3.253%
シカゴ日経平均先物6月限(ドル建て)終値 9790 (+140) 大証終値比
シカゴ日経平均先物6月限(円建て) 終値 9785 (+135) 大証終値比
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