19日の米国株式市場は続落した。ダウ工業株30種平均は前日比66ドル58セント安の1万0444ドル37セントで終え、ナスダック総合株価指数の終値は同18.89ポイント安の2298.37だった。前日にドイツが空売り規制を発表したことを受けて、投資家が運用リスクを取りにくくなるとの見方から株を売る動きが続いた。
欧州の財政問題が落ち着くには時間がかかるとの見方が多いうえ、金融引き締め観測が出ている中国の株式相場の軟調さが続いている。欧州や中国を中心に世界景気が減速すれば、米企業の収益にマイナスになるとの見方から、建設機械大手キャタピラーや航空機大手ボーイングなど景気敏感株への売りが優勢となった。ダウ平均は一時186ドル安まで下げる場面があった。
ただ、米株相場は前日も大幅安だったため、午後には値ごろ感などを背景に買いが入ってダウ平均は下げ幅を縮めた。足元で軟調だった銀行大手バンク・オブ・アメリカなど金融株が買い戻された。米連邦準備理事会(FRB)は2010年の実質成長率見通しを上方修正したが、米景気の回復自体は目新しい材料ではないとして相場の反応は限られた。
業種別S&P500種株価指数では全10種のうち「金融」を除く9種が下げた。「一般産業」や「エネルギー」の下げが目立った。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約16億3000万株(速報値)、ナスダック市場(同)は約25億3000万株だった。
キャタピラーは3%弱、ボーイングは約2%下落した。予想を上回る決算を発表したディスカウントストア大手ターゲットは全体の下げにつれて売られ、小安く終えた。
一方、決算と同時に業績見通しの引き上げを発表した建設・農機大手ディアは3%上昇。前日夕に予想以上の決算と併せて業績見通しの上方修正を発表したパソコン大手ヒューレット・パッカード(HP)が小高い。決算が予想を上回ったファッション大手ポロ・ラルフローレンは2%超上げた。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10444.37 前日比:‐66.58
始値:10505.70 高値:10522.52 安値:10324.66
年初来高値:11258.01 昨年来安値:6469.95
ナスダック総合指数
終値:2298.37 前日比:‐18.89
始値:2307.78 高値:2324.99 安値:2270.62
年初来高値:2535.28 昨年来安値:1265.52
S&P総合500種指数
終値:1115.05 前日比:‐5.75
始値:1119.57 高値:1124.27 安値:1100.66
年初来高値:1219.80 昨年来安値:666.79
米30年国債:4.245% 米10年国債:3.370%
シカゴ日経平均先物6月限(ドル建て)終値 10125 (‐15) 大証終値比
シカゴ日経平均先物6月限(円建て) 終値 10115 (‐25) 大証終値比
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