27日の米国株式相場は3日続落。ダウ工業株30種平均は前日比119ドル15セント安の7062ドル93セントと、1997年5月以来約11年10カ月ぶりの安値で終えた。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は13.63ポイント安の1377.84と昨年11月以来の安値で終えた。米政府による米銀大手シティグループへの追加支援策の発表を受けて、金融株を中心に売りが広がった。
米財務省は朝方、政府が保有するシティグループの優先株を議決権のある普通株に転換する内容の支援策を発表。普通株への転換で既存の株主価値の希薄化が進むとの懸念が強まり、シティが4割近く下落したほか、同業のバンク・オブ・アメリカ(バンカメ)が約25%下げるなど、金融株が軒並み下落した。金融危機の根深さが意識され、売りが膨らんだという。
ゼネラル・エレクトリック(GE)が減配を発表したことも、市場心理を冷やした。昨年10−12月期の実質GDP改定値は前期比年率6.2%減と速報値(3.8%減)から減少幅が拡大し、市場予想(5.4%減)以上に悪化した。米景気悪化が改めて示されたことで、相場の重しとなった。
ただ、株式相場が約12年ぶりの安値圏にあるため、値ごろ感が意識されハイテク株を中心に買いが入る場面があった。ダウ平均やナスダック指数は一時上げに転じた。
S&P500種株価指数は17.74ポイント安の735.09と、96年12月以来約12年2カ月ぶりの安値で終了した。業種別S&P500種株価指数は全10業種が下落し、「金融」が7%安と下落率首位だった。「ヘルスケア」や「一般産業」、「エネルギー」の下げも目立った。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約22億4800万株(速報値)、ナスダック市場は約24億4800万株(同)。
シティがダウ平均構成銘柄で下落率の首位だった。JPモルガン・チェースは約1%安。GEは6%安。前日も大幅に下げた製薬大手のメルクは7%安。ゼネラル・モーターズ(GM)や、前日夕に減益決算を発表した衣料品大手ギャップも大幅安だった。
一方、IBMが3%高。前日夕に発表した決算で特別項目を除く1株利益が市場予想を上回ったパソコン大手デルは3%超高。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:7062.93 前日比:-119.15
始値:7180.97 高値:7195.46 安値:7033.62
年初来高値:9088.06 年初来安値:7033.62
ナスダック総合指数
終値:1377.84 前日比:-13.63
始値:1371.53 高値:1401.63 安値:1371.53
年初来高値:1665.56 年初来安値:1371.53
S&P総合500種指数
終値:735.09 前日比:-17.74
始値:749.93 高値:751.27 安値:734.52
年初来高値:943.85 年初来安値:734.52
米30年国債 3.708% 米10年国債 3.013%
「シカゴ日経平均先物(CME)」(27日)
MAR09
O 7380(ドル建て)
H 7570
L 7325
C 7380 大証比-180(イブニング比-140)
Vol 14642
O 7515(円建て)
H 7515
L 7310
C 7365 大証比-195(イブニング比-155)
Vol 19804
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