9日の米国株式市場で、ダウ工業株30種平均は続伸。前日比78ドル07セント高の9864ドル94セントで終え、2008年10月以来1年ぶりの高値を更新した。ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は5日続伸で、終値は15.35ポイント高の2139.28。アナリストが目標株価を引き上げたIBMなど主力ハイテク株が買われ、相場を押し上げた。来週から発表が本格化する米主要企業の決算に対する期待も買いを誘った。
企業のIT(情報技術)投資が回復に向かうとの見方を背景に、バークレイズ・キャピタルのアナリストがIBMの業績見通しと目標株価を引き上げた。バークレイズのアナリストがIT機器セクター全体の判断を上げたこともあり、ハイテク株は総じて堅調だった。米商務省が発表した8月の米貿易赤字が減少し、輸出が4カ月連続でプラスになった。輸出増は世界の景気回復の現れと受け止められ、相場の支援材料になった。
ダウ平均は週間では377ドル上げ、3週ぶりの上昇だった。S&P500種株価指数は6.01ポイント高の1071.49で終えた。業種別S&P指数(全10業種)では「IT」や「ヘルスケア」、「金融」など9業種が上昇。「通信サービス」のみ下落した。フィラデルフィア証券取引所の半導体株指数(SOX)は3%高で終えている。売買高はニューヨーク証券取引所(NYSE)が約9億9000万株(速報値)、ナスダック市場は約18億9000万株(同)。
IBMは3%上げ、上昇率がダウ平均の構成銘柄では最大だった。景気回復が広告事業の追い風になるとして、クレディ・スイスのアナリストが業績見通しと目標株価を引き上げたグーグルが小じっかり。ダウ銘柄ではパソコン大手ヒューレット・パッカード(HP)や半導体大手インテルの上昇も目立つ。前日夕に7−9月期の利益が4−6月期を上回ったようだと発表した石油大手のシェブロンが堅調だった。
一方、外国為替市場でドルが主要通貨に対して堅調に推移したため、ドルの代替投資先と位置づけられる金先物相場が下落。非鉄大手アルコアや金鉱大手ニューモント・マイニングが下げた。商品取引子会社を売却することが明らかになった米銀大手シティグループが小安い。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:9864.94 前日比:78.07
始値:9786.04 高値:9865.01 安値:9764.88
年初来高値:9917.99 年初来安値:6469.95
ナスダック総合指数
終値:2139.28 前日比:15.35
始値:2120.00 高値:2139.62 安値:2118.04
年初来高値:2167.70 年初来安値:1265.52
S&P総合500種指数
終値:1071.49 前日比:6.01
始値:1065.28 高値:1071.51 安値:1063.00
年初来高値:1080.15 年初来安値:666.79
米30年国債 4.226% 米10年国債 3.388%
シカゴ日経平均先物12月限(ドル建て)終値 10085 (+75) 大証終値比
シカゴ日経平均先物12月限(円建て) 終値 10060 (+50) 大証終値比
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