28日の米国株式市場は大幅反落。ダウ工業株30種平均は前日比115ドル70セント安の1万0120ドル46セントと2009年11月6日以来の安値で終えた。ナスダック総合株価指数は同42.41ポイント安の2179.00と09年12月8日以来の安値で終えた。業績見通しが慎重と受け止められた携帯電話向け技術開発大手クアルコムが急落するなど、ハイテク株を中心に売りが優勢となった。
通信機器大手モトローラが四半期決算と併せて発表した利益見通しも予想より悪い内容と受け止められた。景気期待などから株価が上昇してきたハイテク企業の業績が今後、期待ほど伸びない可能性が意識された。前日に新型端末「iPad」を発表したアップルへの売りも続いた。09年12月の耐久財受注額や週間の新規失業保険申請件数が予想より悪い内容だったことも売りを誘った。
格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が英銀行システムについて「もはや国際的に最も安定し低リスクとはいえない」と指摘したと伝わった。英株式相場が銀行株の売りに押され下落。これにつれて米株相場も下げ幅を拡大し、ダウ平均は一時約180ドル下げる場面があった。
前日夜のオバマ米大統領による一般教書演説は雇用支援に重点を置く内容として、相場にプラスとの受け止めが多かった。米議会での投票でバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の再任が決まった。ただ、米企業業績や世界的な景気や財政問題などへの懸念が強いといい、買いは限られた。
S&P500 種株価指数は12.97ポイント安の1084.53と09年11月6日以来の安値で終えた。業種別S&P500種株価指数では全10種が下落。「IT(情報技術)」が約3%、「素材」が2%弱下げた。フィラデルフィア証券取引所の半導体株指数(SOX)は3%下落した。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約11億1000万株(速報値)、ナスダック市場(同)は約28億株だった。
クアルコムが14%、モトローラは12%急落。アップルは4%安。ダウ平均構成銘柄ではパソコン大手ヒューレット・パッカード(HP)が3%超下げ、下落率首位。通信大手AT&Tは小安い。決算でワイヤレス部門の堅調な成長などが好感され、買いが先行したが利益確定売りに押された。
予想以上の決算と同時に利益見通しの引き上げを発表した化学大手スリーエムは利益確定売りが出て、2%弱の下落。決算が最終黒字となった自動車大手フォード・モーターも下げた。
一方、決算と併せて売上高見通しを引き上げた日用品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は1.4%上昇。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10120.46 前日比:‐115.70
始値:10236.92 高値:10258.83 安値:10055.08
年初来高値:10729.89 昨年来安値:6469.95
ナスダック総合指数
終値:2179.00 前日比:‐42.41
始値:2220.31 高値:2220.87 安値:2166.90
年初来高値:2326.28 昨年来安値:1265.52
S&P総合500種指数
終値:1084.53 前日比:‐12.97
始値:1096.93 高値:1100.22 安値:1078.46
年初来高値:1150.45 昨年来安値:666.79
米30年国債 4.552% 米10年国債 3.642%
シカゴ日経平均先物3月限(ドル建て)終値 10320 (‐100) 大証終値比
シカゴ日経平均先物3月限(円建て) 終値 10290 (‐130) 大証終値比
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