28日の米国株式相場は小幅に続落。ダウ工業株30種平均は前日比8ドル05セント安の8016ドル95セント、ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は5.60ポイント安の1673.81で終えた。豚インフルエンザの感染が拡大することへの懸念や米金融機関の財務内容への不安を受けて、売り優勢だった。
豚インフルエンザの感染拡大で個人消費や旅行需要が減少することへの懸念が、前日に続き相場の重しとなった。米ウォールストリート・ジャーナル紙が「米当局は米銀大手バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)とシティグループに対し、資本増強が必要かもしれないと伝えた」と報じた。米金融機関の財務の弱さが改めて意識されたほか、増資によって株主価値が希薄化されるとの懸念も出て、金融株が軟調に推移した。
4月の米消費者信頼感指数が前月から上昇して市場予想を大幅に上回ったほか、2月のS&Pケース・シラー住宅価格指数で住宅価格の下落率が前月よりも縮まった。個人消費や住宅市場の底入れ期待が出て買いが優勢となり、ダウ平均は高く推移する場面も目立った。
S&P500種株価指数は2.35ポイント安の855.16で終了した。業種別S&P500種株価指数(全十業種)は「金融」や「一般産業」など四業種が下げた。半面、「通信サービス」や「エネルギー」など六業種が上げた。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約12億5000万株(速報値)、ナスダック市場は約20億9000万株(同)。
バンカメが8%超安。米大手年金基金のカリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)がバンカメのルイス最高経営責任者(CEO)をはじめとする全取締役の再任に反対すると発表している。シティグループは約6%安。黒字決算を発表したドイツ銀行も4%超下げている。
追加のリストラ策が好感され前日大幅高だった米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は11%安と、ダウ平均の構成銘柄で下落率トップ。前日夕に市場予想を下回る決算と減配を発表した鉄鋼大手USスチールも軟調だった。朝方に市場予想を上回る決算を発表した製薬大手ファイザーが小安い。一方、増配を発表したIBMは約2%上昇。通信大手のAT&Tとベライゾン・コミュニケーションズが堅調だった。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:8016.95 前日比:-8.05
始値:8023.56 高値:8091.66 安値:7938.98
年初来高値:9088.06 年初来安値:6469.95
ナスダック総合指数
終値:1668.26 前日比:-5.60
始値:1668.26 高値:1690.06 安値:1661.40
年初来高値:1665.56 年初来安値:1265.62
S&P総合500種指数
終値:855.16 前日比:-2.35
始値:854.48 高値:864.48 安値:847.12
年初来高値:943.85 年初来安値:666.79
米30年国債 3.967% 米10年国債 3.022%
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