22日の米国株式市場でダウ工業株30種平均が4日続伸し、前日比9ドル37セント高の1万1134ドル29セントで終えた。ギリシャ債務問題や一部企業の決算内容を嫌気した売りが先行したが、一巡後は押し目買いが入った。金融株が午後に買われたことも相場を下支えした。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸し、同14.46ポイント高の2519.07と、2008年6月以来ほぼ1年10カ月ぶりの高値で終えた。
午前中はダウ平均の下げ幅が100ドルを超える場面があった。欧州連合(EU)統計局が09年のギリシャの財政赤字を拡大修正した。ムーディーズ・インベスターズ・サービスがギリシャ国債の格付けを引き下げたこともあり、外国為替市場でユーロが対ドルで急落。投資家が運用リスクを取りにくくなるとして、米株にも売りが出た。
前日夕に決算発表したネット競売大手のイーベイや携帯電話向け技術開発大手クアルコムの業績見通しが慎重だったほか、フィンランドの携帯大手ノキアの決算が市場予想を下回ったこともあり、ハイテク株も軟調だった。
売りが一巡すると、相場は午後に急速に下げ渋った。オバマ大統領が正午ごろから金融危機の再発防止に向けた金融規制改革について演説したが、一部で予想されていたほど規制厳格化に積極的でなかったと受け止められた。金融株が下げ幅を縮小すると、ハイテク株や一般産業株、素材株などにも押し目買いが入り、ダウ平均は引け間際に上げに転じた。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約12億9千万株(速報)。ナスダック市場は約26億1千万株(同)。業種別S&P500種株価指数(全10業種)では、「消費循環」を筆頭に6業種が上昇。「ヘルスケア」などが下げた。
ノキアが13%安、イーベイ、クアルコムも大幅安となった。1〜3月期決算が大幅減益だった通信サービス大手ベライゾン・コミュニケーションズも安い。決算が小幅増益にとどまり、業績回復が同業他社に比べて見劣りすると受け止められたスイス金融大手クレディ・スイスも売られた。
一方、前日夕に発表した決算が市場予想を上回ったコーヒーチェーン大手スターバックスや半導体大手サンディスクがともに大幅高で終えた。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:11134.29 前日比:9.37
始値:11119.78 高値:11149.86 安値:11016.40
年初来高値:11154.55 昨年来安値:6469.95
ナスダック総合指数
終値:2519.07 前日比:14.46
始値:2483.52 高値:2521.02 安値:2468.26
年初来高値:2521.02 昨年来安値:1265.52
S&P総合500種指数
終値:1208.67 前日比:2.73
始値:1202.52 高値:1210.27 安値:1190.19
年初来高値:1213.92 昨年来安値:666.79
米30年国債 4.637% 米10年国債 3.771%
シカゴ日経平均先物6月限(ドル建て)終値 10930 (‐20) 大証終値比
シカゴ日経平均先物6月限(円建て) 終値 10915 (‐35) 大証終値比
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