26日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は小幅ながら6日続伸し、前週末比75セント高の1万1205ドル03セントと2008年9月19日以来の高値水準で終えた。建設機械大手のキャタピラーが好決算を発表し景気敏感株に買いが先行した。ただ米金融制度改革法案が金融機関に厳しい内容になるとの見方からJPモルガン・チェースなど金融株が売られ、相場の上値は重かった。
ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反落し、同 7.20ポイント安の2522.95で終えた。
キャタピラーのほか家電のワールプールなどが新興国の堅調な需要を背景に好決算や強気な業績見通しを示し、それぞれ大幅高となった。翌日に決算発表を控えた化学大手のデュポンやスリーエム(3M)など景気動向に敏感な銘柄に買いが集まった。企業のM&A(合併・買収)報道が相次いだことも、株式市場への資金流入観測を誘った。
半面、この日は金融株に悪材料が目立った。米財務省が公的資金による資本注入の際に取得した普通株の一部を売却すると発表した米銀大手のシティグループが株式需給悪化の懸念から大幅安。米金融制度改革法案に、想定よりも厳しいデリバティブ(金融派生商品)規制が盛り込まれると報じられたのを受け、収益機会の減少観測からJPモルガンのほかバンク・オブ・アメリカなど銀行株が売られた。
翌日にゴールドマン・サックス最高経営責任者(CEO)の議会証言を控えることも重荷となった。ゴールドマン株は3%超下落した。
27〜28日の米連邦公開市場委員会(FOMC)や30日発表の1〜3月期の米国内総生産(GDP)速報値を見極めたいとのムードも買い手控えを招いた。相場が直近の高値圏で推移しているため利益確定の売りも出やすかった。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約12億 3000万株(速報値)、ナスダック市場は約23億3000万株(同)。業種別S&P500種株価指数(全10業種)で上昇したのは「消費循環」「一般産業」「素材」の3業種にとどまった。「金融」「ヘルスケア」の下げが目立った。
レンタカー大手のハーツ・グローバル・ホールディングスが買収すると発表した同業のダラー・スリフティ・オートモーティブ・グループが急伸。ハーツも買われた。携帯情報端末「ブラックベリー」の新機種を発表したリサーチ・イン・モーション(RIM)が高い。
半面、大幅増益決算を発表した医療保険大手ヒューマナは朝高後に下げに転じた。ダウ平均構成銘柄の金融株では保険のトラベラーズやクレジットカードのアメリカン・エキスプレスが安い。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:11205.03 前日比:0.75
始値:11205.11 高値:11258.01 安値:11187.65
年初来高値:11258.01 昨年来安値:6469.95
ナスダック総合指数
終値:2522.95 前日比:‐7.20
始値:2529.85 高値:2535.28 安値:2521.51
年初来高値:2535.28 昨年来安値:1265.52
S&P総合500種指数
終値:1212.05 前日比:‐5.23
始値:1217.07 高値:1219.80 安値:1211.07
年初来高値:1219.80 昨年来安値:666.79
米30年国債 4.667% 米10年国債 3.809%
シカゴ日経平均先物6月限(ドル建て)終値 11200 (+40) 大証終値比
シカゴ日経平均先物6月限(円建て) 終値 11175 (+15) 大証終値比
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