1日の米国株式市場は続伸し、ダウ工業株30種平均は前週末の終値に比べ78ドル53セント高い1万0403ドル79セントと、1月20日以来ほぼ1カ月半ぶりの高値で終えた。大型M&A(合併・買収)が相次いで伝わったことで、投資家心理が改善した。1月の米個人消費支出が市場予想以上に増加したことも、消費関連株への買いを誘った。ハイテク株の比率が高いナスダック総合指数は35.31ポイント高い2273.57と1月20日以来の高値で終えた。
英保険大手プルーデンシャルが米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)のアジアの生命保険部門を買収すると発表するなど、M&Aが相次いで伝わった。企業の事業拡大に向けた活動が活発になってきたとの見方が、投資家心理の改善につながった。AIGは4%上昇した。
アステラス製薬がTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した米製薬会社OSIファーマシューティカルズも急伸した。欧州製薬・化学大手の独メルクが買収を発表した米バイオ化学大手ミリポアにも買いが膨らみ、11%上昇した。
米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した2月の製造業景況感指数は市場予想以上に低下したが、これを材料にした売りは目立たなかった。ただ、5日発表の2月の米雇用統計など、週末にかけて雇用関連の指標の発表が相次ぐ。天候不順などの影響を見極めたいとして、高値圏では買いが鈍り上値は限られた。
S&P500種株価指数は11.22ポイント高の1115.71と1月21日以来の高値で終えた。業種別S&P500種指数は、全10業種が上昇した。「消費循環」や「素材」、「IT(情報技術)」の上げが目立った。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約9億7000万株(速報値)、ナスダック市場は約23億6000万株(同)。
ダウ平均採用銘柄では半導体大手インテルが上昇率首位となった。建機大手キャタピラーやパソコン大手ヒューレット・パッカード、航空機・機械大手のユナイテッド・テクノロジーズが1%超上昇した。
一方、09年12月期決算で純利益が市場予想を下回ったとして、英銀大手HSBCが大幅安となった。ダウ平均採用銘柄ではゼネラル・エレクトリック(GE)が1%下げたほか、米銀大手JPモルガン・チェースやディスカウントストア大手のウォルマート・ストアーズが下げた。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10403.79 前日比:78.53
始値:10326.10 高値:10413.99 安値:10326.10
年初来高値:10729.89 昨年来安値:6469.95
ナスダック総合指数
終値:2273.57 前日比:35.31
始値:2247.40 高値:2274.02 安値:2247.33
年初来高値:2326.28 昨年来安値:1265.52
S&P総合500種指数
終値:1115.71 前日比:11.22
始値:1105.36 高値:1116.11 安値:1105.36
年初来高値:1150.45 昨年来安値:666.79
米30年国債 4.561% 米10年国債 3.614%
シカゴ日経平均先物3月限(ドル建て)終値 10235 (+65) 大証終値比
シカゴ日経平均先物3月限(円建て) 終値 10230 (+60) 大証終値比
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