24日の米国株式市場は3営業日ぶりに反落し、ダウ工業株30種平均は前日比52ドル68セント安い1万0836ドル15セントで終えた。格付け会社によるポルトガルの格下げを受け、一部の欧州諸国の厳しい財政事情が改めて意識され売りを誘った。住宅関連指標の悪化も投資家の慎重姿勢につながったほか、ダウ平均が前日に1年半ぶりの高値を付けた後で利益確定売りも出やすかった。ダウ平均の下げ幅は1カ月ぶりの大きさになった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3営業日ぶりに反落し、16.48ポイント安い2398.76で終えた。
格付け会社フィッチ・レーティングスはポルトガルの長期格付けを「ダブルAマイナス」に1段階引き下げた。南欧を中心にした財政問題の拡大が改めて意識された。格下げを受け、外為市場ではドル高が進んだ。ドルの上昇で原油先物相場など商品相場が下落し、エネルギー株への売りを誘った。
2月の米新築一戸建て住宅販売件数は4カ月連続で減少し、統計開始以来の最低水準を更新。住宅市場の低迷が続いていることが、投資家心理の悪化を誘った。2月の耐久財受注は0.5%増と市場予想(0.7%増)を下回ったが、設備投資の先行指標である国防・航空機を除く資本財受注は1.1%増えており、嫌気した売りは限られた。
業種別S&P500 種指数(全10業種)では、「金融」を除く9業種が下落。「通信サービス」が1%以上下げたほか、「公益」、「消費安定」が下げた。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約10億2000万株(速報値)、ナスダック市場は約22億2000万株(同)。
前日発表した業績見通しがほぼ予想と一致した電子機器製造受託サービスのジャビル・サーキットは10%近い急落。初の四半期配当を実施すると発表したコーヒーチェーン大手のスターバックスは買い先行後、下げに転じた。ダウ平均採用銘柄では非鉄大手アルコアや製薬大手メルクの下げが目立った。
前日に通信大手スプリント・ネクステルが次世代無線技術に対応した端末を発表したことを受けて、同業のAT&Tとベライゾン・コミュニケーションズが下げた。ベライゾンはダウ採用銘柄で下落率首位だった。
一方、スプリントは3%近く上昇した。保有するロシアの石油会社株の一部を売却すると発表した石油大手コノコフィリップスは小幅高。朝方発表した四半期決算で、赤字幅が縮小した住宅建設大手レナーが3%超上昇した。住宅融資の残高を削減する計画を発表した米銀大手バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)が2%超上昇し、ダウ採用銘柄で上昇率首位だった。同社については中国やアジアで事業を拡大する計画も伝わった。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10836.15 前日比:‐52.68
始値:10887.62 高値:10887.84 安値:10825.42
年初来高値:10819.90 昨年来安値:6469.95
ナスダック総合指数
終値:2398.76 前日比:‐16.48
始値:2406.72 高値:2408.64 安値:2396.92
年初来高値:2401.21 昨年来安値:1265.52
S&P総合500種指数
終値:1167.72 前日比:‐6.45
始値:1172.70 高値:1173.04 安値:1166.01
年初来高値:1169.84 昨年来安値:666.79
米30年国債 4.735% 米10年国債 3.858%
シカゴ日経平均先物6月限(ドル建て)終値 10850 (+110) 大証終値比
シカゴ日経平均先物6月限(円建て) 終値 10795 (+55) 大証終値比
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