12日の米国株式相場でダウ工業株30種平均は小幅に反落。前日比6ドル77セント安の7932ドル76セントで終えた。米政府による金融・景気対策に対する警戒感から売り先行で始まった。ただ、午後に住宅ローン対策に関する報道が伝わると、急速に買い戻しが入り下げ渋った。ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、同11.21ポイント高の1541.71で終えた。
ガイトナー米財務長官が10日明らかにした金融安定化策が具体策に乏しい内容となったことが引き続き重しになっているといい、前日買い戻しの動きが優勢だった金融株が軒並み売り先行で始まった。ダウ平均は下げ幅が250 ドル近くに達し、7600ドル台を付ける場面があった。
売り一巡後、午後にかけて下値拾いの動きも出てやや下げ渋る展開をみせていた局面で、ロイター通信が「米当局は住宅ローン支払いに問題を抱えている住宅所有者に補助金を出すことを計画している」と報じた。住宅市場の改善につながるとの思惑から幅広い銘柄に買い戻しが入り、相場は急速に下げ渋る展開となった。
早朝発表された1月の小売売上高は前月比1.0%増と市場予想に反してプラス転換した。ただ、過去分が下方修正されたことなどから相場の押し上げ材料とみなされなかった。同時刻発表の週間の新規失業保険申請件数は高水準となり、先行き消費に対する懸念が午前中の相場の重しになった。
S&P500種株価指数は1.45ポイント高の835.19で終えた。業種別S&P500種株価指数(全10業種)は「金融」「一般産業」など四業種が下げた。一方、「消費安定」「素材」など6業種が上昇。フィラデルフィア証券取引所の半導体株指数(SOX)は1.3%高。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約14億8000万株(速報値)、ナスダック市場は約24億6000万株(同)だった。
前日、急反発したバンク・オブ・アメリカやシティグループが安い。USバンコープなど地銀株の一角も下げた。前日夕に赤字決算を発表した建機大手テレックスが30%急落。キャタピラーやディアも軟調。
半面、朝方発表した昨年10−12月期決算で特別項目を除く一株利益が市場予想を上回ったコカ・コーラが7%高。住宅株はトール・ブラザーズが小幅高で終える一方、レナーは5%安で終えるなど高安まちまち。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:7932.76 前日比:-6.77
始値:7931.97 高値:7938.82 安値:7693.98
年初来高値:9088.06 年初来安値:7693.98
ナスダック総合指数
終値:1541.71 前日比:11.21
始値:1507.92 高値:1542.10 安値:1495.87
年初来高値:1665.56 年初来安値:1434.21
S&P総合500種指数
終値:835.19 前日比:1.45
始値:829.91 高値:835.48 安値:808.06
年初来高値:943.85 年初来安値:804.30
米30年国債 3.521% 米10年国債 2.782%
「シカゴ日経平均先物(CME)」(12日)
MAR09
O 7855(ドル建て)
H 7950
L 7585
C 7810 大証比+60(イブニング比+140)
Vol 15398
O 7805(円建て)
H 7805
L 7555
C 7770 大証比+20(イブニング比+100)
Vol 16923
PR