10月31日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸、前日比144ドル32セント高の9325ドル01セントで終えた。続伸は9月25−26日以来約 1カ月ぶり。ナスダック総合株価指数は4日続伸し、同22.43ポイント高の1720.95で終えた。短期金融市場の落ち着きなどを好感し、金融株を中心に買いが優勢となった。
最近のドル建てロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の低下などを受けて、金融市場が安定するとの思惑から金融株を中心に買いが入った。各国政府や中央銀行などによる金融安定化策などで世界の株式相場が落ち着くとの期待もあり、値ごろ感からの買いを誘ったという。
ただ、前日の大幅高の反動での売りや悪材料が出た銘柄への売りが出て、相場は不安定な動きになる場面があった。バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が講演で、政府系住宅公社の住宅ローン証券化には何らかの政府支援が必要になりそうだと話したと伝わった。ただ、具体的な内容に乏しいとして相場の反応は限られた。
9月の個人消費支出(PCE)は前月比0.3%減と2006年9月以来のマイナスとなった。10月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)は前月から急低下し、市場予想も大幅に下回った。米景気悪化が一段と顕著になったが、景気悪化自体は目新しくないとしてこれを材料視した売りは目立たなかった。
業種別S&P500種株価指数では全十種のうち「公益」「通信サービス」を除く八業種が上昇。5.5%高となった「金融」の堅調さが目立った。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約15億7000万株(速報値)、ナスダック市場(同)は約24億5000万株だった。
住宅の差し押さえを減らすため、1100億ドル相当の住宅ローンの条件を見直すと発表したJPモルガン・チェースが9.7%急伸し、ダウ平均構成銘柄で上昇率首位。バンク・オブ・アメリカやシティグループも大幅高。レナーやトール・ブラザーズなど住宅関連株も買われた。7―9月期決算で純利益が前年同期から倍増したシェブロンが上昇。
一方、クライスラーとの合併協議について11月4日の大統領選前の合意は困難と米メディアが報じたゼネラル・モーターズ(GM)が4%超下落。前日夕に利益見通しの引き下げを発表したゲームソフト大手のエレクトロニック・アーツが18%の急落。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:9325.01 前日比:144.32
始値:9179.09 高値:9454.36 安値:9119.20
年初来高値:13279.54 年初来安値:7882.51
ナスダック総合指数
終値:1720.95 前日比:22.43
始値:1686.65 高値:1742.54 安値:1673.32
年初来高値:2661.50 年初来安値:1493.00
S&P総合500種指数
終値:968.75 前日比:14.66
始値:953.11 高値:984.38 安値:944.59
年初来高値:1471.77 年初来安値:839.80
米30年国債 4.33% 米10年国債 3.964%
「シカゴ日経平均先物(CME)」(31日)
DEC08
O 8970(Globex 合算)
H 9095
L 8520
C 8935 大証比+485(イブニング比+485)
Vol 16212
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