11日の米国株式相場は大幅に反落。ダウ工業株30種平均は前日比196ドル33セント安の8565ドル9セント、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は57.60ポイント安の1507.88で終えた。雇用関連指標の悪化や自動車救済を巡る不透明感などから売りが優勢となった。
早朝発表された週間の新規失業保険申請件数は前週比5万8000件増の57万3000件と、市場予想を大きく上回った。労働市場の一段の悪化が警戒され株価の重しになった。USバンコープが10−12月期に信用コストなどで多額の処理費用を計上することを明らかにしたほか、アナリストが業績予想を引き下げたJPモルガン・チェースが売られた。
JPモルガンは同社のダイモン最高経営責任者(CEO)が米メディアとのインタビューで、住宅価格の急速な下落は続くなどと話したと伝わった。午後に金融株が崩れ、株価指数を押し下げたとの指摘も聞かれた。ダウ平均の下げ幅は一時約250ドルに達した。
自動車救済案について、下院に続き上院でも法案が通過するかどうか懸念する声があり、ゼネラル・モーターズ(GM)とフォード・モーターはともに大幅安で終えた。雇用関連指標の大幅な悪化が確認されたことで、市場関係者の間では市場混乱回避のため米政府はGM救済に動かざるを得ないとの見方は根強いといい、下値では買い戻しが入る場面もあった。ダウ平均は上昇に転じる場面もあった。
S&P500種株価指数は25.65ポイント安の873.59で終えた。業種別S&P500種株価指数(全十業種)は「金融」「素材」など九業種が下げた。「ヘルスケア」のみ上昇した。フィラデルフィア証券取引所の半導体株指数(SOX)は2.5%安。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約14億7000万株(速報値)、ナスダック市場は約20億5000万株(同)だった。
JPモルガンは10%超下げ、ダウ銘柄の下落率首位。USバンコープも10%超下げた。決算が市場予想を下回ったコストコ・ホールセールが安い。10−12月期の実質売上高見通しを下方修正したプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)がさえない。
半面、原油高を受けシェブロンはしっかり。ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)も小幅高。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:8565.09 前日比:-196.33
始値:8750.13 高値:8809.45 安値:8512.76
年初来高値:13279.54 年初来安値:7449.38
ナスダック総合指数
終値:1507.88 前日比:-57.60
始値:1547.39 高値:1568.26 安値:1501.81
年初来高値:2661.50 年初来安値:1295.48
S&P総合500種指数
終値:873.59 前日比:-25.65
始値:898.35 高値:904.63 安値:868.73
年初来高値:1471.77 年初来安値:741.02
米30年国債 3.061% 米10年国債 2.602%
「シカゴ日経平均先物(CME)」(11日)
DEC08
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H 8710
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C 8450 大証比-240
Vol 12667
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