12月31日の米国株式相場は大幅に続伸。ダウ工業株30種平均は前日比108ドルちょうど高い8776ドル39セントと、約2週間ぶりの高値で終えた。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数の終値は26.33ポイント高の1577.03だった。週間の新規失業保険申請件数が市場予想以上に減少したことが買いを誘った。ダウ平均は2008年通年では約34％下落。下落率は大恐慌当時の1931年以来、約77年ぶりの大きさだった。
　朝方発表の新規失業保険申請件数は前週比9万4000件減の49万2000件と、市場予想（57万5000件）を大幅に下回り、米雇用悪化がやや薄らいだ。月末で年末とあって売り方の買い戻しなど持ち高調整の動きが相場を押し上げた面もあるという。ただ、失業保険申請件数については同週がクリスマスの祝日を含んでいるため季節調整にゆがみが生じている可能性が意識され、米労働市場に対する慎重な見方も残った。

　米連邦住宅抵当公社（ファニーメイ）と米連邦住宅貸付抵当公社（フレディマック）が上昇。前日に米連邦準備理事会（ＦＲＢ）が両公社が保証している住宅ローン担保証券（ＭＢＳ）の買い取りを1月から開始すると発表したことが買い材料。ＭＢＳの買い取りで住宅市場が持ち直し、業績が改善することへの期待が出て銀行株も買われた。原油先物相場の上昇を背景にエクソンモービルなど石油株も買われた。
　Ｓ＆Ｐ500種株価指数は12.61ポイント高の903.25で終えた。業種別Ｓ＆Ｐ株価指数は全十業種が上昇し、上昇率上位は「金融」や「一般産業」だった。ナスダック市場の売買高は約15億5000万株（速報値）だった。
　米銀大手のバンク・オブ・アメリカやＪＰモルガン・チェースが上昇し、前日に大幅高だった非鉄大手アルコアが続伸。組織の見直しなどを発表したパソコン大手のデルが小じっかり。一方、金融関連会社への資本注入発表を受け前日に買われた自動車大手ゼネラル・モーターズ（ＧＭ）が大幅安。財務省への200億ドルの優先株発行などを正式に発表したシティグループは下落した。

ダウ工業株30種（ドル）
終値：8776.39 前日比：108.00
始値：8666.48 高値：8842.66安値：8664.89
年初来高値：13279.54 年初来安値：7449.38

ナスダック総合指数
終値：1577.03 前日比：26.33
始値：1550.87高値：1586.81 安値：1548.88
年初来高値：2661.50 年初来安値：1295.48

Ｓ＆Ｐ総合500種指数
終値：903.25 前日比：12.61
始値：890.59 高値：910.32 安値：889.67
年初来高値：1471.77 年初来安値：741.02

米30年国債 2.691％ 米10年国債 2.244％