27日の米国株式相場でダウ工業株30種平均は大幅続落。前週末比203ドル18セント安の8175ドル77セントと2003年4月1日以来の安値で終えた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は5日続落し、同46.13ポイント安の1505.90と03年5月21日以来の安値で終えた。米地銀の公的資金注入受け入れなどを好感し、高く推移する場面があった。ただ、大口の換金売りなどで引け間際には急速に下げ幅を広げた。
主な株価指数は約5年半ぶりの安値を更新した。S&P500種株価指数は848.92と03年3月31日以来の安値で終えた。海外株式相場の下げなどを受け売りが先行したが、相場は昼過ぎにかけて上げに転じた。シティグループなど大手銀9行に続き、地銀のキーコープやノーザン・トラスト、クレジットカード大手のキャピタル・ワン・ファイナンシャルなどが米金融安定化策を活用し、公的資金を受け入れると発表。金融システム安定化への期待感から金融株の一角に買いが入った。午後にはダウ平均が220ドル高まで上げ幅を広げる場面があった。
ただ次第に売りが広がり相場は伸び悩んだ。世界的な景気悪化などを背景にエネルギー株や素材株への売りが続いた。さらに引け間際には投資信託やプログラム売買による大口の売りが膨らんだといい、主な株価指数は急速に下げ幅を広げた。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約13億3000万株(速報)。ナスダック市場は約22億8000万株(同)。業種別S&P500種株価指数(全十業種)では、「エネルギー」「素材」など九業種が下落。「通信サービス」が上昇した。
UBSが投資判断を引き下げたUSスチールが大幅安。カナダの通信機器大手ノーテル・ネットワークスも安い。ウォールストリート・ジャーナル紙が、ハイテク企業の顧客の設備取得代金に貸倒れが増加していると報じたことを受け、IBMやオラクル、シスコシステムズが下げた。キャピタル・ワン、キーコープなどは下げに転じて終えた。
一方、決算で売上高が市場予想を上回った通信大手ベライゾン・コミュニケーションズは10%高で終えた。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:8175.77 前日比:-203.18
始値:8375.92 高値:8599.10 安値:8143.59
年初来高値:13279.54 年初来安値:7882.51
ナスダック総合指数
終値:1505.90 前日比:-46.13
始値:1528.99 高値:1574.54 安値:1503.81
年初来高値:2661.50 年初来安値:1493.00
S&P総合500種指数
終値:848.92 前日比:-27.85
始値:874.28 高値:893.78 安値:846.75
年初来高値:1471.77 年初来安値:839.80
米30年国債 4.045% 米10年国債 3.687%
「シカゴ日経平均先物(CME)」(27日)
DEC08
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Vol 21990
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