6日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比22ドル93セント(0.2%)高の1万0967ドル65セントと5月3日以来約5カ月ぶりの高値で終えた。米雇用指標が市場予想に反して悪化したが、米金融当局が追加の金融緩和に踏み切りやすくなるとの見方からむしろ好感された。前日の大幅高を受けた利益確定目的の売りを吸収した。
一方、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反落した。終値は同19.17ポイント(0.8%)安の2380.66だった。データセンター大手エクイニクスが前日夕に売上高予想を下方修正し、株価が急落。これまで上昇が目立った情報技術(IT)関連銘柄に利益確定売りを出すきっかけになった。
米民間雇用サービス会社オートマチック・データ・プロセッシング(ADP)が発表した9月の全米雇用リポートによると、非農業部門の雇用者数(政府部門は除く)が前月比で3万9000人減少した。2万人程度の増加を見込んでいたエコノミスト予想を下回ったが、市場の関心は追加金融緩和の行方に集中。指標悪化は金融緩和の実現性を増すとして相場を支えた。エネルギーや素材など景気動向に収益が左右されやすい銘柄を中心に買われた。
業種別S&P500種株価指数では「エネルギー」や「素材」など10業種中4業種が上昇した。金融緩和期待を背景とした原油や金価格の上昇を受け、石油株や鉱山株を買う動きが目立った。一方、「通信」や「IT(情報技術)」が下落した。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約9億8000万株(速報値)、ナスダック市場は約21億1000万株(同)だった。
オランダのバイオ医薬品会社の完全子会社化を発表した米日用品・医薬品大手のジョンソン・エンド・ジョンソンが上昇。多機能携帯電話「iPhone(アイフォーン)」の販路拡大へ新型機の量産を始める計画を立てていると報じられたアップルも上げた。増益となる四半期決算を発表した会員制卸売大手のコストコ・ホールセールが上げた。ダウ平均構成銘柄では、企業買収関連の報道が相次いだゼネラル・エレクトリック(GE)の上昇が目立った。
半面、ダウ平均構成銘柄では大手銀行のバンク・オブ・アメリカや通信大手のAT&Tが下落。ジュニパー・ネットワークスなど通信機器関連株や、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体株にも下げが目立った。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10967.65 前日比:22.93
始値:10936.79 高値:10974.16 安値:10918.57
年初来高値:11258.01 年初来安値:9614.32
ナスダック総合指数
終値:2380.66 前日比:-19.17
始値:2395.16 高値:2399.13 安値:2368.43
年初来高値:2535.28 年初来安値:2061.14
S&P総合500種指数
終値:1159.97 前日比:-0.78
始値:1159.81 高値:1162.33 安値:1154.85
年初来高値:1219.80 年初来安値:1010.91
米30年国債:3.670% 米10年国債:2.392%
シカゴ日経平均先物12月限(ドル建て)終値 9705 (+5) 大証終値比
シカゴ日経平均先物12月限(円建て) 終値 9670 (-30) 大証終値比
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