5日の米国株式市場は大幅に反発し、ダウ工業株30種平均は前日比193ドル45セント(1.8%)高い1万0944ドル72セントと5月3日以来約5カ月ぶりの高値で終えた。日銀が追加金融緩和に踏み切り、米連邦準備理事会(FRB)が追随するとの観測が強まった。主要国の追加緩和が景気を下支えするとの期待から、収益が景気に左右されやすい一般産業株や金融株などが買われた。ドル安で国際商品相場が上昇し、素材株が買われたことも相場を押し上げた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は55.31ポイント(2.4%)高の2399.83と、5月12日以来ほぼ4カ月半ぶりの高値で終えた。
日銀が市場予想を上回る内容の追加緩和を決めたほか、シカゴ連銀のエバンズ総裁が米ウォール・ストリート・ジャーナル紙のインタビューで米景気の下振れ懸念から追加の緩和策が必要との認識を示した。FRBが11月上旬に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加緩和に踏み切るとの思惑が一段と増し、余剰資金が株式市場に流入するとの期待から幅広い銘柄が買われた。
ダウ平均は前日の下落幅(78ドル)を取引開始直後に埋め、相場の上昇基調が続いているとの見方が広がったことも投資家心理を改善させた。米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した9月の非製造業景況感指数は市場予想を上回った。内訳でも「新規受注」や「雇用」といった主要項目が軒並み改善し、米景気の先行き不透明感が後退したとの見方も買いを誘った。
業種別S&P500種株価指数では「素材」と「一般産業」が3%近く上昇。「金融」「エネルギー」なども2%あまり高くなり、全10業種が上げた。売買高はニューヨーク証券取引所(NYSE)が約12億4000万株(速報値)、ナスダック市場が約21億4000万株(同)だった。
朝方に発表した9月の既存店売上高が市場予想に反して増加したドラッグストアチェーンのウォルグリーンが2%あまり上昇した。前日に自社株買いの開始を発表した石油大手シェブロンも買われた。ダウ平均採用銘柄では航空機のボーイングが3%以上上げ、上昇率首位。米銀大手バンク・オブ・アメリカや素材のデュポンも3%あまり上昇した。アナリストが投資判断を引き下げたホームセンターのホーム・デポも小幅高。
一方、朝方に通期の売上高見通しなどの下方修正を発表した婦人服専門店のタルボットが15%近く急落した。米司法省が前日に反トラスト法(独占禁止法)に関連して提訴したと発表したクレジットカードのアメリカン・エキスプレス(アメックス)が前日に続き売られ、ダウ平均の構成銘柄で唯一下げた。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10944.72 前日比:193.45
始値:10752.78 高値:10965.61 安値:10752.63
年初来高値:11258.01 年初来安値:9614.32
ナスダック総合指数
終値:2399.83 前日比:55.31
始値:2368.52 高値:2402.42 安値:2366.06
年初来高値:2535.28 年初来安値:2061.14
S&P総合500種指数
終値:1160.75 前日比:23.72
始値:1140.68 高値:1162.76 安値:1140.68
年初来高値:1219.80 年初来安値:1010.91
米30年国債:3.744% 米10年国債:2.472%
シカゴ日経平均先物12月限(ドル建て)終値 9625 (+105) 大証終値比
シカゴ日経平均先物12月限(円建て) 終値 9600 (+80) 大証終値比
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