27日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に4日続伸し、前日比12ドル26セント(0.1%)高の1万0537ドル69セントと5月17日以来の高値で終えた。化学大手デュポンなど好決算を発表した銘柄の一角に買いが入った。半面、7月の消費者信頼感指数の低下を背景に米個人消費の先行き警戒感から小売株などが売られ、上値も重かった。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落し、終値は同8.18ポイント(0.4%)安の2288.25だった。
デュポンは市場予想を超える増収増益で、通年の業績見通しも引き上げた。世界の景気動向に業績が連動しやすい同社が強気な見方を示したことで市場心理が明るくなった。UBSやドイツ銀行といった欧州金融銘柄が良好な四半期決算を受けて上昇し、JPモルガン・チェースなど米金融株が連れ高したことも相場を支えた。
相場は午前中ごろから伸び悩み、下げに転じる場面もあった。米調査会社コンファレンス・ボードが発表した7月の米消費者信頼感指数が市場予想を下回ったため、小売りのホーム・デポやクレジットカードのアメリカン・エキスプレスなど消費関連株が下げに転じた。原油安を嫌気して素材、エネルギー株も軟調になった。
ダウ平均は前日まで3営業日連続で100ドル以上、上昇しており、利益確定売りが出やすかった面もある。5月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は主要20都市平均が前年同月比で市場予想以上に上昇したが、住宅株への買いは続かなかった。
業種別S&P500種株価指数(全10業種)は「公益」「消費安定」など6業種が上げ、「消費循環」「一般産業」など4業種が下げた。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約11億2000万株(速報値)、ナスダック市場は約20億2000万株(同)。
デュポンは3%余り上げ、ダウ平均構成銘柄で上昇率首位。4~6月期決算内容が市場予想を上回った市場運営のナスダックOMXグループが買われた。UBSとドイツ銀はそれぞれ約9%高、約3%高。東京市場の大引け後に好調な1~6月期決算を発表したキヤノンのADRも上昇した。
半面、ネットワーク機器のシスコシステムズや建設機械のキャタピラーなど景気敏感株の一角が利益確定売りに押された。決算とあわせて慎重な業績見通しを示した製鉄のUSスチールが大幅安。原油流出事故に絡む費用計上で決算が大幅赤字となり、ヘイワード最高経営責任者(CEO)の辞任を正式発表した英石油大手BPが安い。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10537.69 前日比:12.26
始値:10525.28 高値:10578.33 安値:10494.86
年初来高値:11258.01 年初来安値:9614.32
ナスダック総合指数
終値:2288.25 前日比:‐8.18
始値:2306.62 高値:2307.60 安値:2280.72
年初来高値:2535.28 年初来安値:2061.14
S&P総合500種指数
終値:1113.84 前日比:‐1.17
始値:1117.36 高値:1120.95 安値:1109.78
年初来高値:1219.80 年初来安値:1010.91
米30年国債:4.080% 米10年国債:3.049%
シカゴ日経平均先物9月限(ドル建て)終値 9655 (+155) 大証終値比
シカゴ日経平均先物9月限(円建て) 終値 9635 (+135) 大証終値比
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