6日の米国株式市場は大幅に3日続落した。ダウ工業株30種平均は前日比347ドル80セント安の1万0520ドル32セントと3月4日以来、約2カ月ぶりの安値で終えた。ギリシャなど欧州の財政問題への懸念が一段と強まり、投資家が運用リスクを避けて米株式を売る動きが続いた。午後に一時、取引時間中としては過去最大の998ドル50セント安まで下げ幅を広げ、1万ドルの節目を割り込む場面があった。
ダウ平均の下げ幅は2009年2月10日以来、約1年3カ月ぶりの大きさだった。ナスダック総合株価指数は前日比82.65ポイント安の2319.64と3月4日以来の安値で終えた。下げ幅は09年1月20日以来の大きさだった。
ギリシャなど一部の欧州諸国の財政問題が落ち着くまでかなりの時間がかかるとの見方が市場で強まり、投資家がリスクの高い資産を手じまい売りする動きが続いた。外国為替市場でユーロが対ドルや円で下落し、原油先物相場も下げた。米株式市場では欧州の金融株安につれる形で、金融株を中心に幅広い銘柄に売りが膨らんだ。原油安を受けて資源株も下げた。
ダウ平均が午後の短い時間帯に9869ドル62セントまで一気に下落したのは技術的な要因が大きいとの見方もある。プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やスリーエムといったダウ平均構成銘柄が瞬間的に2〜4割下げるなど不自然な動きを見せており、市場では取引システムの不備が指摘されている。一部銘柄の急落が株価指数を押し下げ、投資家の投げ売りが集中したとの声が出ている。
パニック的な売りが一巡すると、相場は下げ渋った。取引終了時点でニューヨーク証券取引所(NYSE)はこの問題について特にコメントしていない。
業種別S&P500種株価指数では全10種が下落。4%安となった「金融」や、3.5%安となった「消費循環」の下げが目立った。ダウ平均構成銘柄は全30銘柄が下げた。NYSEの売買高は約25億8000万株(速報値)、ナスダック市場(同)は約41億9000万株と、ともに膨らんだ。
4月の米既存店売上高が市場予想に反して減少した衣料品大手ギャップは7%下落。既存店売上高が予想に反して増加した百貨店メーシーズも全体の下げにつれ、3%安となった。決算で1株損失が市場予想より大きかった通信機器大手アルカテル・ルーセントが14%急落。前日夕に決算と同時に財務省に追加支援を求めることを明らかにした米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)は6%下落。
P&Gは2%安、スリーエムは約3%安まで下げ幅を縮めた。ダウ平均構成銘柄では銀行大手バンク・オブ・アメリカが7%安で下落率首位。ヒューレット・パッカード(HP)は5%下げた。
一方、決算が市場予想を上回った医療保険大手シグナが約3%上昇。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10520.32 前日比:‐347.80
始値:10862.22 高値:10879.76 安値:9869.62
年初来高値:11258.01 昨年来安値:6469.95
ナスダック総合指数
終値:2319.64 前日比:‐82.65
始値:2391.21 高値:2407.79 安値:2185.75
年初来高値:2535.28 昨年来安値:1265.52
S&P総合500種指数
終値:1128.15 前日比:‐37.75
始値:1164.38 高値:1167.58 安値:1065.79
年初来高値:1219.80 昨年来安値:666.79
米30年国債 4.206% 米10年国債 3.405%
シカゴ日経平均先物6月限(ドル建て)終値 10195 (‐485) 大証終値比
シカゴ日経平均先物6月限(円建て) 終値 10175 (‐505) 大証終値比
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