7日の米国株式市場は4日続落し、ダウ工業株30種平均は前日比139ドル89セント安の1万0380ドル43セントで終えた。ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数の終値は54.00ポイント安の2265.64。ダウ平均、ナスダック指数とも2月下旬以来2カ月半ぶりの安値で引けた。ギリシャなど欧州諸国の財政不安を背景に、投資家が運用リスクを回避するため株式を売却する動きが続いた。ダウ平均は昨年末比の騰落率がマイナスに転じた。
急落の翌日とあって値ごろ感などの買いが入り、ダウ平均は小幅高に転じる場面もあったが、買いは続かなかった。前日に一部銘柄が不可解な値動きとなり、ダウ平均の下げ幅が一時998ドルに達した。誤発注が背景にあるという見方もあったが、現時点では急落の原因が分かっておらず、投資家が買いを手控えたことが相場の下げ止まらない一因だという指摘もあった。ダウ平均の下げ幅は一時280ドルに迫った。
ダウ平均は週間で628ドル下落し、下落幅は金融危機のピークだった2008年10月以来の大きさとなった。
朝方発表の4月の米雇用統計で雇用者数は市場予想以上に増えたが、市場の不安心理が強いため相場を押し上げるには至らなかった。業種別S&P指数は全10業種が下落。「情報技術(IT)」や「一般産業」といった業績が景気動向の影響を受けやすい業種の下げが目立った。売買高はニューヨーク証券取引所(NYSE)が約24億2000万株(速報値)、ナスダック市場は約40億5000万株(同)。
携帯電話大手ノキアが高機能携帯電話「iPhone(アイフォーン)」や多機能携帯端末「iPad(アイパッド)」が特許を侵害しているとしてアップルを提訴したと発表。アップルが4%下げた。パソコン大手ヒューレット・パッカードやマイクロソフトなどハイテク株の下げが目立った。
一方、前日夕に市場予想を上回る四半期決算を発表した食品大手クラフト・フーズが3%近く上昇。信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)関連の金融商品販売に絡み米証券取引委員会(SEC)と和解に向けた協議に入ったと報じられた金融大手ゴールドマン・サックスが小じっかり。黒字決算を発表した保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が買われた。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10380.43 前日比:‐139.89
始値:10519.42 高値:10579.12 安値:10241.23
年初来高値:11258.01 昨年来安値:6469.95
ナスダック総合指数
終値:2265.64 前日比:‐54.00
始値:2308.71 高値:2330.65 安値:2228.06
年初来高値:2535.28 昨年来安値:1265.52
S&P総合500種指数
終値:1110.88 前日比:‐17.27
始値:1127.04 高値:1135.13 安値:1094.15
年初来高値:1219.80 昨年来安値:666.79
米30年国債 4.270% 米10年国債 3.420%
シカゴ日経平均先物6月限(ドル建て) 終値 10185 (‐245) 大証終値比
シカゴ日経平均先物6月限(円建て) 終値 10170 (‐260) 大証終値比
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