22日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は6営業日ぶりに反落し、前日比21ドル72セント(0.2%)安の1万0739ドル31セントで終えた。ダウ平均は約4カ月ぶりの高値圏で推移しており、ひとまず利益確定売りが出やすかった。一部のIT(情報技術)企業の業績改善期待が後退したことも、相場の重荷となった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続落し、14.80ポイント(0.6%)安の2334.55で終えた。文書処理ソフト大手アドビ・システムズが19%安と急落し、指数を押し下げた。
アドビが21日夕に発表した9~11月期の売上高見通しは予想に届かず、複数のアナリストが投資判断を引き下げた。パソコン大手デルの最高経営責任者(CEO)が22日、8~10月期の売上高が前年同期比約20%増になりそうだと述べたと伝わった。市場の一部でより大幅な伸びが期待されていたといい、発言を受け売りが出た。
米連邦住宅金融庁(FHFA)が同日発表した7月の全米住宅価格指数が2カ月連続で前の月から低下した。米住宅市場の低迷が改めて意識され、住宅株が軒並み下落した。ダウ平均は一時約50ドル下落した。
もっとも、下値は限定的だった。米連邦準備理事会(FRB)が前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、追加の金融緩和の用意があることに言及した。新たな金融緩和策が実施されれば、市場の余剰資金が株式相場にも流入するとの思惑が支えとなった。
業種別S&P500種株価指数(全10業種)は「金融」「消費循環」など6業種が下落。一方、「公益」など4業種が上昇した。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約9億5000万株(速報値)、ナスダック市場は約20億7000万株(同)だった。
前日の通常取引終了後に増配を発表したマイクロソフトは2%安。前日夕に7~9月期決算が従来予想していた範囲の上限近くになりそうだと発表したネット競売大手のイーベイも安い。
アメリカン航空の親会社であるAMRが8%超下落。前日付で米証券取引委員会(SEC)に提出した資料で明らかにした7~9月期の業績見通しが、市場参加者の失望を誘った。
一方、ダウ平均の構成銘柄では非鉄大手アルコアが上昇率首位だった。金先物相場が中心限月としての過去最高値を更新したため、金鉱大手のニューモント・マイニングも買われた。朝方発表した四半期決算で、特別項目を除く1株利益が市場予想を小幅に上回った食品大手のゼネラル・ミルズが高い。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10739.31 前日比:‐21.72
始値:10761.11 高値:10805.38 安値:10708.40
年初来高値:11258.01 年初来安値:9614.32
ナスダック総合指数
終値:2334.55 前日比:‐14.80
始値:2339.91 高値:2355.91 安値:2323.55
年初来高値:2535.28 年初来安値:2061.14
S&P総合500種指数
終値:1134.28 前日比:‐5.50
始値:1139.49 高値:1144.38 安値:1131.58
年初来高値:1219.80 年初来安値:1010.91
米30年国債:3.740% 米10年国債:2.555%
シカゴ日経平均先物12月限(ドル建て)終値 9470 (‐50) 大証終値比
シカゴ日経平均先物12月限(円建て) 終値 9430 (‐90) 大証終値比
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