21日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は小幅ながら5日続伸し、前日比7ドル41セント(0.1%)高の1万0761ドル03セントと5月13日以来約4カ月ぶりの高値で終えた。米連邦準備理事会(FRB)の声明を受けて将来の追加金融緩和への期待が高まり、大型株に買いが入った。ダウ平均は一時80 ドル近く上昇したが、上値では当面の利益を確定したい投資家から売りが出て、伸び悩んだ。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は10営業日ぶりに小幅反落し、終値は同6.48ポイント(0.3%)安の2349.35だった。FRB声明を好感して高く推移する場面があったが、ハイテク株は最近の値上がり幅が大きかったため、大型株よりも利益確定売りが出やすかった。
FRBはこの日開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で市場予想通り政策金利の誘導目標を0~0.25%で据え置いた。午後2時15分ごろ発表した声明は「必要なら追加の金融緩和を実施する用意がある」と指摘。景気認識は前回8月の表現をほぼ踏襲した。今後一段と金融緩和が進めば、市場に出回る投資資金が増え、株式にも流入しやすくなるとの見方から機械や通信など幅広い銘柄に買いが入った。
午前はFRB声明の発表を前に様子見ムードが強かった。最近の相場上昇を受けた利益確定の売りと、市場予想を大きく上回る8月の米住宅着工件数を好感した住宅株などへの買いが交錯した。
業種別S&P500種株価指数(全10業種)は「通信」「一般産業」など3業種が上げ、「金融」「公益」など7業種が下げた。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約10億5000万株(速報値)、ナスダック市場は約21億4000万株(同)だった。
建機のキャタピラーが連日で過去1年の高値を更新。2%高となりダウ平均構成銘柄で上昇率首位だった。半導体のインテル、航空機のボーイングも買われた。国際航空運送協会(IATA)が今年の航空業界全体の利益見通しを上方修正したことを受けデルタ航空や、アメリカン航空の持ち株会社であるAMRといった航空株が高い。
前最高経営責任者(CEO)の移籍を巡る訴訟でIT(情報技術)大手のオラクルと和解したと発表したヒューレット・パッカードが上昇。オラクルは下げた。
KBホームやDRホートンといった住宅株は、米住宅着工件数の増加を好感して買いが先行したが伸び悩み、高安まちまちで終えた。
半面、四半期決算の内容が市場予想に届かなかった食品のコナグラ・フーズが安い。アナリストが投資判断を引き下げたと伝わった半導体のサンディスクや、携帯電話の新機種の出荷が遅れるとの観測が伝わったノキアが大幅安となった。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10761.03 前日比:7.41
始値:10753.39 高値:10833.39 安値:10717.74
年初来高値:11258.01 年初来安値:9614.32
ナスダック総合指数
終値:2349.35 前日比:‐6.48
始値:2355.27 高値:2366.76 安値:2341.82
年初来高値:2535.28 年初来安値:2061.14
S&P総合500種指数
終値:1139.78 前日比:‐2.93
始値:1142.82 高値:1148.59 安値:1136.22
年初来高値:1219.80 年初来安値:1010.91
米30年国債:3.785% 米10年国債:2.576%
シカゴ日経平均先物12月限(ドル建て)終値 9575 (+45) 大証終値比
シカゴ日経平均先物12月限(円建て) 終値 9525 (‐5) 大証終値比
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