20日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に4日続伸し、前週末比145ドル77セント(1.4%)高の1万0753ドル62セントで終えた。5月13日以来約4カ月ぶりの高値となる。住宅大手レナーの四半期決算を好感し、同業の住宅関連株などを中心に買いが優勢となった。金融株やエネルギー株なども買われ、ほぼ全面高となった。
ナスダック総合株価指数は9日続伸し、同40.22ポイント(1.7%)高の2355.83と5月13日以来の高値で終えた。ナスダック指数の9日続伸は昨年7月に記録した12日続伸以来となる。S&P500種株価指数は同17.12ポイント(1.5%)高の 1142.71とやはり5月13日以来の高値だった。
6~8月期決算の内容が市場予想を上回ったレナーのほか、クレジットカード大手ディスカバー・ファイナンシャル・サービシズの決算も1株利益が予想以上だった。企業業績の堅調さが続くとの期待が強まり、住宅株や消費関連株、金融株などに幅広く買いが入った。
IBMがデータ処理関連ソフトなどを手掛けるネティーザの買収を発表。企業のM&A(合併・買収)が活発になるとの見方も株式市場への資金流入観測を誘った。S&P500種株価指数が、上値抵抗線として意識されていた1130を上に抜けたため、買いが加速したとの指摘があった。主な株価指数は午後に上げ幅を広げた。
全米住宅建設業協会(NAHB)が発表した9月の住宅市場指数は前月比横ばいの13と市場予想を下回った。住宅市場の低迷が続くとの見方を誘ったが、レナーの好決算を背景に相場の反応は限られた。民間団体の全米経済研究所(NBER)は2007年12月から始まった米景気後退が09年6月に終了したと認定したが、目新しい材料ではないとの受け止め方が多かった。
業種別S&P500種株価指数は全10種が上昇。「金融」や「消費循環」の上昇が目立った。ダウ平均構成銘柄ではネットワーク機器大手シスコシステムズを除く29銘柄が上昇。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約9億6000万株(速報値)、ナスダック市場(同)は約20億3000万株だった。
レナーは8%急伸。同業のKBホームも大幅高となり、ホームセンター大手ホーム・デポも買われた。ディスカバーは約4%上昇。アナリストが投資判断を引き上げた通信大手AT&Tは1%高。米ルイジアナ州沖のメキシコ湾で起こった原油流出事故について19日、油井の封鎖作業が完了したと発表した英BPの米預託証券(ADR)も上昇した。
一方、アナリストが投資判断を引き下げた鉄鋼大手USスチールは下落した。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10753.62 前日比:145.77
始値:10608.08 高値:10774.13 安値:10608.08
年初来高値:11258.01 年初来安値:9614.32
ナスダック総合指数
終値:2355.83 前日比:40.22
始値:2322.80 高値:2358.90 安値:2317.89
年初来高値:2535.28 年初来安値:2061.14
S&P総合500種指数
終値:1142.71 前日比:17.12
始値:1126.57 高値:1144.86 安値:1126.57
年初来高値:1219.80 年初来安値:1010.91
米30年国債:3.872% 米10年国債:2.705%
シカゴ日経平均先物12月限(ドル建て)終値 9715 (+145) 大証終値比
シカゴ日経平均先物12月限(円建て) 終値 9675 (+105) 大証終値比
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