9月30日の米国株式市場は続落し、ダウ工業株30種平均は前日比47ドル23セント(0.4%)安の1万0788ドル05セントで終えた。米景気回復期待を誘う経済指標を手掛かりに買いが先行したが、利益確定売りが次第に優勢となった。9月のダウ平均は前月比7.7%高と2カ月ぶりに上昇。上昇率は9月として1939年以来の大きさとなった。
ナスダック総合株価指数は同7.94ポイント(0.3%)安の2368.62で終えた。
4~6月期の米実質国内総生産(GDP、確定値)成長率が改定値から上方修正され、週間の新規失業保険申請件数が市場予想を下回った。9月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)も前月比で市場予想に反して上昇し、米景気が緩やかに回復するとの見方から買いが先行した。ダウ平均は一時113ドル高まで上げる場面があった。
ただ、買い一巡後は売りに押され、相場は昼前に下げに転じた。7~9月期末とあって持ち高調整の売りや、このところの相場上昇基調を受けた利益確定売りが出やすかったとの指摘があった。
バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が講演で、雇用情勢の厳しさなどに言及したと伝わったが、新味に乏しいとして相場の反応は限られた。
業種別S&P500種株価指数では全10種のうち「エネルギー」を除く9種が下落。「IT(情報技術)」や「消費安定」などが下げた。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約12億8000万株(速報値)、ナスダック市場(同)は約23億5000万株だった。
保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が日本の生保子会社2社を米プルデンシャル・ファイナンシャルに売却すると発表し、プルデンシャルは4%下落。傘下の知育玩具ブランドの一部製品をリコール(回収・無償修理)すると発表した玩具大手マテルは小安い。ダウ平均ではクレジットカード大手アメリカン・エキスプレス(アメックス)やキャタピラーの下落が目立った。
一方、公的資金の全額返済に向けた資産売却などの具体的な計画を発表したAIGは4%上昇した。原油先物相場が一時1バレル80ドル台に上昇し、1カ月半ぶりの高値を付けたことを受け、エクソンモービルなど石油株の一角が買われた。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10788.05 前日比:‐47.23
始値:10836.04 高値:10948.88 安値:10745.44
年初来高値:11258.01 年初来安値:9614.32
ナスダック総合指数
終値:2368.62 前日比:‐7.94
始値:2390.96 高値:2400.06 安値:2354.22
年初来高値:2535.28 年初来安値:2061.14
S&P総合500種指数
終値:1141.20 前日比:‐3.53
始値:1145.97 高値:1157.16 安値:1136.08
年初来高値:1219.80 年初来安値:1010.91
米30年国債:3.687% 米10年国債:2.512%
シカゴ日経平均先物12月限(ドル建て)終値 9445 (+85) 大証終値比
シカゴ日経平均先物12月限(円建て) 終値 9405 (+45) 大証終値比
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