1日の米国株式市場は3日ぶりに反発した。ダウ工業株30種平均は前日比41ドル63セント(0.4%)高の1万0829ドル68セントで終えた。米国と中国の経済指標改善を受けて世界景気の先行き警戒感が和らぎ、エネルギーや素材など景気動向に収益が影響を受けやすい銘柄を中心に買いが集まった。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数の終値は前日比2.13ポイント(0.1%)高の2370.75だった。
中国の9月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が2カ月連続で上昇したほか、8月の米個人消費支出が市場予想以上に増加した。世界1、2位の経済大国で企業活動や個人消費動向を映す指標が改善したため、世界景気は底堅い回復が続くとの見方がじわりと強まった。ダウ平均は寄り付き直後に80ドル近く上げた。
外国為替市場でドル安が進み、ドルから逃避した資金の受け皿になりやすい原油先物や金先物が上昇したことも、石油株や金鉱山株への買いを誘った。最近の株価上昇が相対的に小さく、出遅れているとの見方から金融株が買われたことも相場を押し上げた。
半面、米サプライマネジメント協会(ISM)が午前中ごろ発表した9月の製造業景況感指数はほぼ市場予想並みだったが、「新規受注」や「受注残」など内訳の項目に悪化が目立った。この日ほぼ唯一の悪い米経済指標と受け止められ、ダウ平均は小幅安に転じる場面があった。
週末とあって取引は盛り上がらず、ダウ平均は引けにかけては小高い水準でもみ合った。
ダウ平均は週間では30ドル(0.3%)安となり、小幅ながら5週ぶりの下落となった。
業種別S&P500種株価指数(全10業種)は「エネルギー」「素材」「金融」など9業種が上げ、「IT(情報技術)」のみ下げた。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約10億7000万株(速報値)、ナスダック市場は約18億8000万株(同)。
金融株はアナリストから収益に厳しい見方も出たが、JPモルガン・チェースとバンク・オブ・アメリカがダウ平均構成銘柄で上昇率1、2位を占めた。石油のエクソンモービルが高く、鉱山のフリーポート・マクモラン・コッパー・アンド・ゴールドが大幅高。化学のスリーエム(3M)も上昇した。9月の米新車販売が前年同月比で大幅増となったフォード・モーターは小幅高。
半面、前日夕に新しい社長兼最高経営責任者(CEO)の選任を発表したパソコン大手のヒューレット・パッカード(HP)が売られた。携帯電話関連の特許侵害でモトローラを訴えたと伝わったマイクロソフトは小安く終えた。モトローラは小幅上昇した。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10829.68 前日比:41.63
始値:10789.72 高値:10866.54 安値:10780.64
年初来高値:11258.01 年初来安値:9614.32
ナスダック総合指数
終値:2370.75 前日比:2.13
始値:2386.82 高値:2389.45 安値:2359.32
年初来高値:2535.28 年初来安値:2061.14
S&P総合500種指数
終値:1146.24 前日比:5.04
始値:1143.49 高値:1150.30 安値:1139.42
年初来高値:1219.80 年初来安値:1010.91
米30年国債:3.717% 米10年国債:2.513%
シカゴ日経平均先物12月限(ドル建て)終値 9470 (+80) 大証終値比
シカゴ日経平均先物12月限(円建て) 終値 9435 (+45) 大証終値比
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