24日の米国株式市場は大幅に反落した。ダウ工業株30種平均は前週末比126ドル82セント安の1万0066ドル57セントと2月10日以来の安値で終えた。スペインの中央銀行が経営難の地方銀行を管理下に置いたと発表し、欧州の金融システムへの不安が再燃。バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)など大手金融株に売りが膨らんだ。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数の終値は同15.49ポイント安の2213.55だった。
スペイン中銀は22日、地銀のカハスールを管理下に置いたと発表するとともに、声明で同国銀行システムへの影響は軽微だと強調した。ただ市場では欧州の金融機関経営や景気の先行きに不透明感が一段と高まったと受け止められた。バンカメとJPモルガン・チェースがそれぞれダウ平均構成銘柄で下落率1、2位になったほか、ゼネラル・エレクトリック(GE)など国際的に事業展開する銘柄にも売りが出た。ダウ平均は下げ幅を一時140ドルに広げた。
情報機器のアップルやネット検索大手のグーグルなど時価総額の大きいハイテク株がアナリストの目標株価引き上げなどをきっかけに買われたが、相場全体を支えるには力不足だった。ナスダック指数は高く推移する場面が目立ったが、午後に上値の重さを嫌気した売りが優勢となり、下げに転じた。
4月の中古住宅販売件数は市場予想以上に増えたが、在庫水準が上昇したこともあり、KBホームやDRホートンなど住宅建設株は安く終えた。
業種別S&P500種株価指数は「金融」「エネルギー」をはじめ全10業種が下げた。ダウ平均構成銘柄はホームセンターのホーム・デポを除く29銘柄が下落した。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約13億1000万株(速報値)、ナスダック市場は約20億1000万株(同)。
アナリストが投資判断を引き下げた米銀大手ウェルズ・ファーゴが安い。IBMが通信大手AT&T傘下の電子商取引ソフト会社を約14億ドルで買収すると発表したが、IBM、AT&Tともに軟調だった。ネット検索大手のヤフーとオンラインサービスで提携すると発表したフィンランドの携帯電話大手ノキアも下げた。ダウ平均構成銘柄ではクラフト・フーズの下げも目立った。
半面、ヤフーが小高い。証券会社が投資判断を引き上げた通信のスプリント・ネクステルや大手銀シティグループも高い。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10066.57 前日比:‐126.82
始値:10193.46 高値:10196.41 安値:10052.67
年初来高値:11258.01 年初来安値:9835.09
ナスダック総合指数
終値:2213.55 前日比:‐15.49
始値:2220.60 高値:2244.67 安値:2212.37
年初来高値:2535.28 年初来安値:2100.17
S&P総合500種指数
終値:1073.65 前日比:‐14.04
始値:1084.78 高値:1089.95 安値:1072.70
年初来高値:1219.80 年初来安値:1044.50
米30年国債:4.090% 米10年国債:3.198%
シカゴ日経平均先物6月限(ドル建て)終値 9700 (‐60) 大証終値比
シカゴ日経平均先物6月限(円建て) 終値 9680 (‐80) 大証終値比
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