25日の米国株式市場は小幅に続落した。ダウ工業株30種平均は前日比22ドル82セント安の1万0043ドル75セントと2月10日以来の安値で終えた。投資家が運用リスクを回避する目的で売りを膨らませたため一時は292ドル安まで下げ幅を拡大した。ただ取引終了にかけ、売り込まれていた金融株や素材株が買い戻され、急速に下げ幅を縮小した。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合指数は2.60ポイント安の2210.95で終えた。
朝方は売りが先行した。欧州の金融システムに対する不安や朝鮮半島情勢の緊張を受け、アジアや欧州の株式相場が大幅に下落。リスクの高い資産を手放したい投資家からの売りが米株にも膨らんだ。ダウ平均は一時9774ドルと、取引時間中としては2009年11月4日以来の安値圏まで下げた。
一方、米調査会社コンファレンス・ボードが発表した5月の米消費者信頼感指数が3カ月連続で改善し、市場予想を上回った。米経済は依然として回復基調にあるとの見方が出て、安値圏で買いが入るきっかけの1つになった。
引けにかけては、ほぼ一貫して買い戻しが優勢。ダウ平均は節目の1万ドルを回復し、この日の高値圏で終えた。機関投資家が運用指標として重視するS&P500種株価指数は小幅高に転じて終えた。
業種別S&P500種株価指数は 10業種中6業種が下落した。「消費安定」や「公益」、「ヘルスケア」が下落率上位に入った。一方で「素材」は1.6%上昇、「消費循環」や「金融」も上げた。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約18億8000万株(速報値)、ナスダック市場は約28億1000万株(同)だった。
医療機器大手メドトロニックが反落した。朝方に発表した2010年2〜4月期決算や売上高見通しは市場予想を上回ったが、相場全体が売られた流れに押された。ダウ平均採用銘柄では食品大手クラフト・フーズが2%近く下げ、下落率首位。飲料大手コカ・コーラやディスカウントストア大手のウォルマート・ストアーズも売られた。
一方、自動車用品店チェーンのオートゾーンが5%超上昇。朝方発表した10年3〜5月期決算が市場予想を上回ったことが好感された。ダウ平均採用銘柄ではホームセンター大手のホーム・デポが2%超上昇。非鉄大手アルコアや半導体大手インテルといった景気敏感株も買い戻され、高く終えた。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10043.75 前日比:‐22.82
始値:10061.43 高値:10061.66 安値:9774.48
年初来高値:11258.01 年初来安値:9774.48
ナスダック総合指数
終値:2210.95 前日比:‐2.60
始値:2157.45 高値:2211.94 安値:2140.53
年初来高値:2535.28 年初来安値:2100.17
S&P総合500種指数
終値:1074.03 前日比:0.38
始値:1067.42 高値:1074.75 安値:1040.78
年初来高値:1219.80 年初来安値:1040.78
米30年国債:4.057% 米10年国債:3.160%
シカゴ日経平均先物6月限(ドル建て)終値 9555 (+115) 大証終値比
シカゴ日経平均先物6月限(円建て) 終値 9545 (+105) 大証終値比
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