29日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に4日続落し、前日比268ドル22セント(2.6%)安の9870ドル30セントで終えた。節目の1万ドルを下回り、7日以来約3週間ぶりの安値。中国や米国の成長鈍化懸念を背景に売りが膨らんだ。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続落し、同85.47ポイント(3.8%)安の2135.18と、2月8日以来の安値で終えた。機関投資家が運用指標として重視するS&P500種株価指数は同33.33ポイント安の1041.24となり、昨年10月末以来約8カ月ぶりの安値だった。
米調査会社コンファレンス・ボードが前日夜に中国の4月の景気先行指標総合指数を下方修正したことなどから、世界の景気回復への不透明感が改めて高まった。欧州金融システム不安も根強く、アジア・欧州株式相場が下落。米株もつれ安して始まった。
午前中ごろに発表された6月の米消費者信頼感指数が市場予想を大幅に下回って低下すると売りが加速。ダウ平均は一時326ドル安まで下げ幅を広げた。
建設機械のキャタピラーなど中国を含む海外事業の比率が高い一般産業株が大幅下落。米金融規制改革法案の成立時期などへの不透明感から金融株にも下げが目立った。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約16億1000万株(速報)。ナスダック市場は約27億6000万株(同)だった。業種別S&P500種株価指数では「一般産業」と「金融」、「情報技術(IT)」をはじめ全10業種が下落した。
前日の決算発表後の説明会での見通しが慎重だったとして半導体大手マイクロン・テクノロジーが13%安と大きく下げ、インテルやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体株にも売りが波及した。アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国の政府系企業が航空機発注をキャンセルする可能性があると報じられた航空機大手ボーイングが6%安。
前日夕発表した決算が赤字だった書店大手バーンズ・アンド・ノーブルが急落した。株価が一時17%下落したため、ニューヨーク証券取引所(NYSE)が取引を5分間停止したと伝わったシティグループは6%を超える大幅安で終えた。
ゴールドマン・サックスのアナリストが投資判断を引き上げた映画・娯楽大手のウォルト・ディスニーも下落。来年1月にも傘下のベライゾン・ワイヤレスがアップルのiPhone(アイフォーン)販売を始めるとの報道が出た通信大手ベライゾン・コミュニケーションズは下げ渋った。
この日ナスダック市場に新規上場した電気自動車ベンチャーのテスラ・モーターズの終値は23.89ドルと、公開価格の17ドルを41%上回って終えた。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:9870.30 前日比:‐268.22
始値:10135.72 高値:10135.80 安値:9811.92
年初来高値:11258.01 年初来安値:9757.55
ナスダック総合指数
終値:2135.18 前日比:‐85.47
始値:2183.92 高値:2185.30 安値:2122.67
年初来高値:2535.28 年初来安値:2100.17
S&P総合500種指数
終値:1041.24 前日比:‐33.33
始値:1071.10 高値:1071.10 安値:1035.18
年初来高値:1219.80 年初来安値:1040.78
米30年国債:3.934% 米10年国債:2.953%
シカゴ日経平均先物9月限(ドル建て)終値 9375 (‐175) 大証終値比
シカゴ日経平均先物9月限(円建て) 終値 9345 (‐205) 大証終値比
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