28日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に3日続落し、前週末比5ドル29セント(0.1%)安の1万0138ドル52セントで終えた。ナスダック総合株価指数は小反落し、同2.83ポイント(0.1%)安の2220.65で終えた。米景気回復を巡る根強い先行き不透明感を背景に、エネルギーや素材株などへの売りが優勢となった。
このところ住宅指標を中心に市場予想を下回る米経済指標が目立ち、米景気が順調に回復しない可能性が意識されている。前週末に20カ国・地域(G20)首脳会議が首脳宣言で、財政再建を進める方針を示した。財政再建に向けた各国の歳出削減の動きなどが景気低迷につながるとの思惑が、相場の重荷になったとの声もあった。景気動向の影響を受けやすい銘柄への売りが優勢となった。
一方、米政府がたばこメーカーに対し罰金の支払いを求めた訴えを米最高裁が退けたと伝わったため、たばこ大手アルトリア・グループなどが上昇した。オバマ米大統領が無線ブロードバンド(高速大容量)網などで使う電波について、今後10年間で利用量を2倍近くに増やすことを目指す覚書に署名した。事業機会拡大への期待から通信大手AT&Tなどが買われ、相場を支えた。ダウ平均は58ドル高まで上げる場面もあった。
週後半に発表される6月のサプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数や雇用統計などの重要な指標の内容を見極めたいとして、取引を見送りムードも強かったといい、相場は方向感に乏しくもみ合う場面が目立った。
業種別S&P500種株価指数では全10種のうち「エネルギー」や「素材」など5種が下落。一方、「消費循環」や「通信サービス」などが上昇した。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約9億3000万株(速報値)、ナスダック市場(同)は約18億2000万株だった。
アナリストが利益見通しを引き下げたホームセンター大手ホーム・デポとロウズはそれぞれ2%、0.5%下落した。ダウ平均構成銘柄では米銀大手JPモルガン・チェースや航空機大手ボーイングがともに2%以上下げた。アナリストが投資判断を引き下げたと伝わったインターネット小売り大手アマゾン・ドット・コムも安い。
一方、アルトリアは3%上昇。AT&Tは0.7%高。高性能携帯電話「iPhone(アイフォーン)4」の販売台数が販売後3日で 170万台以上になったと発表したアップルが0.6%上昇。保有するギリシャ国債を全額売却したと発表した保険大手アフラックは3%弱上昇した。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10138.52 前日比:‐5.29
始値:10143.05 高値:10201.93 安値:10101.41
年初来高値:11258.01 年初来安値:9757.55
ナスダック総合指数
終値:2220.65 前日比:‐2.83
始値:2227.43 高値:2241.64 安値:2208.37
年初来高値:2535.28 年初来安値:2100.17
S&P総合500種指数
終値:1074.57 前日比:‐2.19
始値:1077.50 高値:1082.60 安値:1071.45
年初来高値:1219.80 年初来安値:1040.78
米30年国債:4.009% 米10年国債:3.023%
シカゴ日経平均先物9月限(ドル建て)終値 9705 (+15) 大証終値比
シカゴ日経平均先物9月限(円建て) 終値 9675 (‐15) 大証終値比
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