3日の米国株式市場は小幅に続伸し、ダウ工業株30種平均は前日比5ドル74セント(0.1%)高の1万0255ドル28セントで終えた。5月の米雇用統計の発表を翌日に控えて投資家の様子見気分が強く、主な株価指数は前日終値を挟んで方向感なく推移した。原油高を背景にエネルギー株が上昇したほか、ハイテク株の一角にも買いが入ったが、上値は重かった。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は同21.96ポイント(1.0%)高の 2303.03と5月18日以来約2週間ぶりの高値で終えた。
米経済指標は、週間の新規失業保険申請件数が市場予想より改善した一方、民間調査の5月の「ADP全米雇用リポート」や同月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数、4月の製造業受注が予想を下回った。米経済の緩やかな回復を示したが、相場を押し上げるには力不足だった。
午後にかけて外国為替市場でユーロが対ドルで下落に転じるなど不安定な動きになった。これを嫌気して朝方高かったデュポンやアルコアなど景気敏感株が売られ、ダウ平均は70ドル程度下げる場面があった。
5月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が前月比50万人程度の大幅増になるとの市場予想が出ている。結果を見極めたいとして積極的に売り込む動きも限られ、相場は引けにかけてやや強含んだ。ハイテク株高については「米調査会社が朝方に今年の半導体売上高見通しを引き上げたのが一因」との見方があった。
業種別S&P500種株価指数(全10業種)は「IT(情報技術)」「エネルギー」など8業種が上げ、「素材」など2業種が下げた。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約12億2000万株(速報値)、ナスダック市場は約21億 4000万株(同)。
個別では、最高経営責任者(CEO)が株式の非公開化を検討していると述べたと伝わったパソコン大手のデルが大幅高。ダウ平均構成銘柄ではシスコシステムズやマイクロソフトの上げが目立った。英石油大手BPは格付け会社から格下げを受けたが上昇した。
大手小売り各社が発表した5月の既存店売上高は全体で市場予想なみで、各社の株価も高安まちまち。売上高が予想を上回ったメーシーズやターゲットが堅調だった。
半面、予想以下だったノードストロームやコストコ・ホールセールが安い。前日夕の決算で売上高が市場予想に届かなかった住宅のホブナニアン・エンタープライゼスが急落した。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10255.28 前日比:5.74
始値:10250.67 高値:10315.21 安値:10175.02
年初来高値:11258.01 年初来安値:9774.48
ナスダック総合指数
終値:2303.03 前日比:21.96
始値:2285.76 高値:2307.47 安値:2274.88
年初来高値:2535.28 年初来安値:2100.17
S&P総合500種指数
終値:1102.83 前日比:4.45
始値:1098.82 高値:1105.67 安値:1091.81
年初来高値:1219.80 年初来安値:1040.78
米30年国債:4.274% 米10年国債:3.370%
シカゴ日経平均先物6月限(ドル建て)終値 9920 (‐20) 大証終値比
シカゴ日経平均先物6月限(円建て) 終値 9925 (‐15) 大証終値比
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