16日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に続伸し、前日比22ドル10セント(0.2%)高の1万0594ドル83セントと8月10日以来約1カ月ぶりの高値を更新した。週間の新規失業保険申請件数が市場予想より少なかったため、米雇用情勢に対する過度の懸念が後退して買いが入った。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は7日続伸し、同1.93ポイント(0.1%)高の2303.25と8月9日以来の高値で終えた。ナスダック指数の7日続伸は7月以来約2カ月ぶり。
週間の新規失業保険申請件数は前週比3000件少ない45万件。市場予想(46万件程度)よりも少なく、約2カ月ぶりの低水準だった。一方、フィラデルフィア連銀が発表した9月の景気指数はマイナス幅が前の月から縮小したものの、市場予想を下回った。業績が景気動向を敏感に反映する貨物大手フェデックスが発表した利益見通しが予想を下回ったことも重荷となり、ダウ平均は安く推移する場面もあった。
業種別S&P500種株価指数は全10業種のうち「情報技術(IT)」や「素材」など4業種が上昇。「公益」や「エネルギー」「金融」など6業種が下落した。売買高はニューヨーク証券取引所(NYSE)が9億1000万株(速報値)、ナスダック市場が17億4000万株(同)だった。
ダウ平均の構成銘柄ではパソコン大手ヒューレット・パッカード(HP)やネットワーク機器大手シスコシステムズ、半導体大手インテルの上昇が目立った。シスコが初の配当を実施すると今週前半に伝わり、ハイテク株には配当に着目した買いが入りやすいとの指摘があった。アナリストが投資判断を引き上げた自動車大手フォード・モーターが4.8%上昇した。
一方、フェデックスは3.7%下落。米不動産調査会社が8月に差し押さえ手続きに入った住宅が前月から増えたと発表したことが嫌気され、DRホートンやKBホームなど住宅株が軒並み売られた。ダウ平均の構成銘柄では非鉄大手アルコアや銀行大手バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)が安い。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10594.83 前日比:22.10
始値:10571.75 高値:10603.69 安値:10522.48
年初来高値:11258.01 年初来安値:9614.32
ナスダック総合指数
終値:2303.25 前日比:1.93
始値:2297.51 高値:2304.95 安値:2288.71
年初来高値:2535.28 年初来安値:2061.14
S&P総合500種指数
終値:1124.66 前日比:‐0.41
始値:1123.89 高値:1125.44 安値:1118.88
年初来高値:1219.80 年初来安値:1010.91
米30年国債:3.928% 米10年国債:2.763%
シカゴ日経平均先物12月限(ドル建て)終値 9575 (+145) 大証終値比
シカゴ日経平均先物12月限(円建て) 終値 9535 (+105) 大証終値比
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