12日の米国株式市場は3日続落し、ダウ工業株30種平均は前日比58ドル88セント(0.6%)安の1万0319ドル95セントと7月21日以来、約3週間ぶりの安値で終えた。前日夕にネットワーク機器大手シスコシステムズが四半期決算と同時に発表した売上高見通しが市場予想を下回り、企業業績の先行き不透明感からハイテク株を中心に売りが優勢となった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は同18.36ポイント(0.8%)安の2190.27と7月21日以来の安値で終えた。
シスコは8~10月期の売上高見通しが予想を下回ったうえ、チェンバース最高経営責任者(CEO)は顧客が景気の不透明感から設備投資に慎重になっているなどと述べたと伝わった。これまで米主要企業が発表した決算や業績見通しは堅調さが目立っていたが、景気減速が今後徐々に企業業績を押し下げるとの思惑が出て、売りが優勢となった。
週間の新規失業保険申請件数が市場予想に反して増加し、雇用情勢など景気回復が鈍化するとの見方が出たことも相場の重荷だった。ダウ平均は朝方に一時110ドル安まで下げた。その後は足元の下落の反動で値ごろ感からの買いも入り、下げ渋った。
業種別S&P500種株価指数では全10種のうち「IT(情報技術)」や「一般産業」など7種が下落。一方、「通信サービス」や「素材」が上げた。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約10億株(速報値)、ナスダック市場(同)は約21億6000万株だった。
シスコは10%急落した。同業のジュニパー・ネットワークスは約7%安。ヒューレット・パッカード(HP)が連日で過去1年(52週)の安値を更新。ロシアでの受注獲得のためにロシア連邦検事総長事務所にわいろを払ったという疑惑に関連し、米司法省がHPに内部資料を提出するよう求めたと米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が報じた。
決算と同時に発表した8~10月期の1株利益見通しが予想を下回った百貨店大手コールズが2%超の下落。売上高が市場予想を下回ったファストフード大手ウェンディーズ・アービーズ・グループは小安い。売上高が市場予想を下回った食品大手サラ・リーも下げた。
一方、アナリストが投資判断を「買い」に引き上げたネット競売大手イーベイは1.6%上昇。ダウ平均構成銘柄では通信サービス大手のベライゾン・コミュニケーションズが2%以上上昇した。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10319.95 前日比:‐58.88
始値:10361.58 高値:10361.65 安値:10268.71
年初来高値:11258.01 年初来安値:9614.32
ナスダック総合指数
終値:2190.27 前日比:‐18.36
始値:2164.64 高値:2197.97 安値:2163.07
年初来高値:2535.28 年初来安値:2061.14
S&P総合500種指数
終値:1083.61 前日比:‐5.86
始値:1081.48 高値:1086.72 安値:1076.69
年初来高値:1219.80 年初来安値:1010.91
米30年国債:3.945% 米10年国債:2.747%
シカゴ日経平均先物9月限(ドル建て)終値 9180 (‐10) 大証終値比
シカゴ日経平均先物9月限(円建て) 終値 9170 (‐20) 大証終値比
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