16日の米国株式相場は3営業日ぶりに急反発。ダウ工業株30種平均は前日比401ドル35セント高の8979ドル26セント、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は89.38ポイント高の1717.71で終えた。9月の鉱工業生産指数など厳しい内容の米経済指標の発表を受け売りが先行。しかし値ごろ感や自律反発狙いの買いが下値で入ると相場の地合いが好転し、大幅高に転じて終えた。
　朝方発表の鉱工業生産指数が34年ぶりの落ち込みとなったほか、フィラデルフィア連銀の10月景気指数も大幅に悪化。米銀大手シティグループの四半期決算で与信コストが急増していたことも重しとなり、午前中にダウ平均は380ドル安まであった。しかしダウ平均が10日に付けた取引時間中の直近安値（7882ドル）を上回って推移したことから下値の堅さがひとまず意識され、次第に買い優勢の展開となった。原油先物相場の下落も消費関連株を中心に支援材料になったようだ。

　ダウ平均が午後に午前の高値を上回ると買いに勢いが付き、ダウ平均はこの日の高値圏で引けた。前日の下落幅の５割強を取り戻し、日中値幅は815ドル。株式相場の予想変動率を示す変動性指数（ＶＩＸ）は一時、前日比17％高い81.17まで上昇した。
　Ｓ＆Ｐ500種株価指数は38.59ポイント高の946.43。業種別Ｓ＆Ｐ500種株価指数は全十業種が上昇。「エネルギー」や「情報技術（ＩＴ）」、「消費循環」の上昇が目立った。一方、「金融」は上昇率が最も小さかった。売買高はニューヨーク証券取引所（ＮＹＳＥ）が約20億株（速報値）、ナスダック市場は約33億9000万株（同）。
　マイクロソフト（ＭＳ）のバルマー最高経営責任者が「ヤフーとの統合は経済的に理にかなっている」と述べたと伝わり、ＭＳによる買収交渉が復活するとの思惑が出たヤフーが急伸。ＭＳも堅調だった。
　利益見通しの下限を引き上げた航空機・機械大手のユナイテッド・テクノロジーズが大きく上げ、携帯電話機業界の販売見通しをほぼ据え置いたノキアが大幅高となった。消費関連ではウォルマート・ストアーズの上昇が目立つ。
　金融では４四半期連続の赤字決算を発表したシティが下落し、カードのアメリカン・エキスプレス（アメックス）が軟調だった。一方、赤字決算を発表した証券大手メリルリンチは小高く終えた。

ダウ工業株30種（ドル）
終値：8979.26 前日比：401.35
始値：8577.04 高値：9013.27 安値：8197.67
年初来高値：13279.54 年初来安値：7882.51

ナスダック総合指数
終値：1717.71 前日比：89.38
始値：1639.66 高値：1717.72 安値：1565.72
年初来高値：2661.50 年初来安値：1542.45

Ｓ＆Ｐ総合500種指数
終値：946.43 前日比：38.59
始値：909.53 高値：947.71 安値：865.83
年初来高値：1471.77 年初来安値：839.80

米30年国債 4.256％ 米10年国債 3.957％

「シカゴ日経平均先物（ＣＭＥ）」（16日）
DEC08
Ｏ 8415（Globex　合算）
Ｈ 8845
Ｌ 8105
Ｃ 8805 大証比+555（イブニング比+215）
Vol 40735