16日の米国株式相場でダウ工業株30種平均は4日続伸。前日比95ドル61セント高の8711ドル82セントと、6月12日以来の高値で終えた。ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は7日続伸。22.13ポイント高の1885.03で終え、昨年10月3日以来の高値を付けた。企業業績や景気の底入れ期待などを背景に買いが優勢になった。
米銀大手JPモルガン・チェースが発表した4−6月期決算は7四半期ぶりに増益となった。1株利益も市場予想を上回り、市場全体の買い安心感につながったという。同日の取引終了後に発表するIBMやグーグルなどが予想以上の決算を発表するとの思惑も買いを誘った。
午後中ごろにニューヨーク大学のルービニ教授が「米景気は2009年末ごろに景気後退局面を脱すると見ている」などと述べたと欧米メディアが報じた。これを受けて一般産業など景気敏感株を中心に買いが入り、ダウ平均は123ドル高まで上げ幅を拡大する場面があった。
前日夕、米メディアが「ノンバンク大手CITグループは17日にも米連邦破産法11条の適用を申請する」と報じた。同日に同社株が急落したことで信用市場への警戒感につながり、朝方は売りに押される場面もあった。ただ、ダウ平均は前日までの3日続伸で6%弱上昇していたにもかかわらず下げ幅は限定的だった。午前中に相場の底堅さが示されたことが、午後の買い戻しにつながったとの声も聞かれた。
S&P500種株価指数は8.06ポイント高の 940.74で終え、6月12日以来の高値を付けた。業種別S&P500種株価指数(全10業種)は「一般産業」「情報技術」など8業種が上昇。「通信サービス」など2業種が下げた。フィラデルフィア証券取引所の半導体株指数(SOX)は2%近く上昇した。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約11億7000万株(速報値)、ナスダック市場は約20億3000万株(同)だった。
アナリストによる投資判断の引き上げが伝わったアメリカン・エキスプレスやウォルト・ディズニーが上昇。アナリストが利益見通しを引き上げたスリーエムも高い。IBMは3%超上げた。
半面、JPモルガンは小反落。決算で貸倒引当金が引き続き高水準だったことが警戒されたほか、前日に5%近く上げていた反動で利益確定売りが出た面もあった。決算と併せて慎重な業績見通しを発表した携帯電話機最大手ノキアは14%急落。CITは75%安。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:8711.82 前日比:95.61
始値:8612.66 高値:8739.55 安値:8584.40
年初来高値:9088.06 年初来安値:6469.95
ナスダック総合指数
終値:1885.03 前日比:22.13
始値:1856.05 高値:1887.89 安値:1854.70
年初来高値:1887.89 年初来安値:1265.52
S&P総合500種指数
終値:940.74 前日比:8.06
始値:930.17 高値:943.96 安値:927.45
年初来高値:956.23 年初来安値:666.79
米30年国債 4.453% 米10年国債 3.577%
シカゴ日経平均先物9月限(ドル建て)終値 9495 (+165) 大証終値比
シカゴ日経平均先物9月限(円建て) 終値 9430 (+100) 大証終値比
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