21日の米国株式相場でダウ工業株30種平均は7日続伸。前日比67ドル79セント高の8915ドル94セントと、1月6日以来の高値で終えた。ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は10日続伸。終値は6.91ポイント高の1916.20で、昨年10月3日以来の高値を付けた。市場予想を上回る企業決算の発表が相次ぎ、これを好感した買いが続いた。ダウ平均は2007年4月以来の連騰記録。ナスダック指数は97年7月以来、12年ぶりの連騰記録となった。
建機大手キャタピラーの2009年4〜6月期の1株利益が市場予想を上回ったほか、09年12月期通期の1株利益見通しを実質上方修正した。製薬大手メルクの決算は売上高と1株利益が予想以上だった。両銘柄に買いが集まり、ダウ平均を押し上げた。
短期的な過熱感から利益確定売りが優勢となる場面もあった。4−6月期決算で1株利益は予想以上だったものの利益見通しのレンジ上限を引き下げたユナイテッド・テクノロジーズが売られた。ただ、市場の想定以上に利益が上振れしている企業が相次いでいることで株価指標面での投資妙味が維持されやすいとの声も聞かれた。取引終了にかけては再び買い優勢となり、ダウ平均はこの日の高値圏で終えた。
バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長は議会証言で、景気下降のペースが緩やかになったとの認識を示す一方、雇用市場は引き続き弱いなどと述べた。ただ、相場を大きく動かす材料と受け止められなかったとの指摘があった。
S&P500種株価指数は3.45ポイント高の954.58と、昨年11月4日以来の高値で終えた。業種別S&P500種株価指数(全10業種)は「ヘルスケア」「素材」など6業種が上昇。半面、「金融」など4業種が下げた。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約12億株(速報値)、ナスダック市場は約22億2000万株(同)だった。
キャタピラーは8%弱上昇し、連日でダウ銘柄の上昇率首位。メルクは6%高。ファイザーも上げた。エクソンモービルが買われ、シスコシステムズも高い。
半面、4〜6月期決算で1株利益は市場予想以上だったが売上高が予想に届かなかったコカ・コーラやデュポンが下げた。経営不安が根強く意識されているノンバンク大手CITグループは急反落。決算が最終赤字に転落した地銀大手リージョンズ・ファイナンシャルも急落。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:8915.94 前日比:67.79
始値:8848.15 高値:8927.13 安値:8811.27
年初来高値:9088.06 年初来安値:6469.95
ナスダック総合指数
終値:1916.20 前日比:6.91
始値:1917.39 高値:1917.46 安値:1892.17
年初来高値:1917.46 年初来安値:1265.52
S&P総合500種指数
終値:954.58 前日比:3.45
始値:951.97 高値:956.53 安値:943.22
年初来高値:956.53 年初来安値:666.79
米30年国債 4.394% 米10年国債 3.490%
シカゴ日経平均先物9月限(ドル建て)終値 9725 (+75) 大証終値比
シカゴ日経平均先物9月限(円建て) 終値 9660 (+10) 大証終値比
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