29日の米国株式相場でダウ工業株30種平均は続落。前日比26ドルちょうど安の9070ドル72セントで終えた。ナスダック総合株価指数は3日ぶりに反落し、同7.75ポイント安の1967.76で終えた。原油先物相場の下落などを受けて、エネルギーや素材株などを中心に利益確定売りが優勢となった。
週間の米石油在庫統計で原油在庫が増加したことなどから、原油先物相場が大幅に下落。石油大手コノコフィリップスの四半期決算が大幅減益となり、鉄鋼大手アルセロール・ミタルの決算は赤字だった。エネルギーや素材株などが売られ、株式相場を押し下げた。
中国株が大幅安となり、景気の不透明感が意識されたことも売りを誘った。5年物国債の入札が「不調」として、米国債相場が一時下落。今後、国債需要が低下し金利が上昇するとの思惑が株式相場の重しになり、ダウ平均は一時82ドル安まで下げた。最近は相場が上昇基調にあり、利益確定売りも出やすかった。
ただ、ベライゾン・コミュニケーションズなど通信サービス株の一角などに買いが入り、相場を支えた。引けにかけて相場は下げ幅を縮めた。最近発表された企業業績や経済指標の底堅さから相場の先高感は強く、下値では買いが入るとの指摘があった。
6月の耐久財受注額の前月比の減少幅は市場予想を上回ったが、変動の大きい輸送関連を除くベースでは増加したため、売りは目立たなかった。米地区連銀経済報告(ベージュブック)で、米連邦準備理事会(FRB)は景気認識をやや上向けたと受け止められたが、相場の反応は限られた。
業種別S&P500種株価指数では全10種のうち、「エネルギー」や「素材」など7種が下落。一方、「通信サービス」などが上げた。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約12億5000万株(速報値)、ナスダック市場(同)は約20億8000万株だった。
コノコフィリップスは3.5%下落。アルセロール・ミタルは6%安。マイクロソフトとインターネット検索事業で提携すると発表したヤフーは12%急落。決算で1株損失が予想以上だった携帯大手スプリント・ネクステルも急落。売上高が市場予想を下回ったメディア大手タイムワーナーは1.8%下落。
一方、公的資金の注入に伴い米政府に発行したワラント(株式購入権)を買い戻すと報じられたクレジットカード大手のアメリカン・エキスプレスは小幅高。決算が増益となったソフト大手SAPは0.8%高。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:9070.72 前日比:‐26.00
始値:9092.34 高値:9094.83 安値:9014.19
年初来高値:9124.91 年初来安値:6469.95
ナスダック総合指数
終値:1967.76 前日比:‐7.75
始値:1965.32 高値:1970.65 安値:1953.36
年初来高値:1978.43 年初来安値:1265.52
S&P総合500種指数
終値:975.15 前日比:‐4.47
始値:977.66 高値:977.76 安値:968.65
年初来高値:982.49 年初来安値:666.79
米30年国債 4.512% 米10年国債 3.666%
シカゴ日経平均先物9月限(ドル建て)終値 10185 (+75) 大証終値比
シカゴ日経平均先物9月限(円建て) 終値 10145 (+35) 大証終値比
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