11日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は４日続伸。前週末比45ドル80セント高の１万0663ドル99セントと、2008年10月１日以来の高値を連日で更新した。米主要企業の2009年10〜12月期決算の本格化を前に、企業業績の改善期待を背景にした買いが優勢になった。アナリストの投資判断引き上げなど、個別に買い材料の出た銘柄を物色する動きも指数を支えた。一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4.76ポイント安の 2312.41で終えた。
　同日夕の非鉄大手アルコアの09年10〜12月期決算を皮切りに、米主要企業の決算が始まる。前年同期に大幅に落ち込んだ反動もあって、収益の改善期待が強く主要銘柄を中心に買いが優勢になった。中国の09年12月の輸出額が増えたことを受け、建機大手キャタピラーなどが買われたこともダウ平均の支えになった。

　Ｓ＆Ｐ500種株価指数は小幅ながら続伸。2.00ポイント高の1146.98と08年10月１日以来の高値で終えた。業種別Ｓ＆Ｐ500種指数（全10業種）では「一般産業」「公益」など６業種が上昇。「ＩＴ（情報技術）」「素材」などが下げた。売買高はニューヨーク証券取引所（ＮＹＳＥ）が約９億7000万株（速報値）、ナスダック市場が約20億2000万株（同）だった。
　アナリストの投資判断引き上げが相次いだ光ファイバー・高性能ガラス基板大手コーニングが約３％上昇。アナリストが投資判断を上げた石油大手シェブロンも買われた。ダウ平均採用銘柄ではキャタピラーが６％超上げ、上昇率首位となった。決算発表を控えたアルコアも買われたほか、航空機・機械大手ユナイテッド・テクノロジーも高い。
　一方、アナリストが投資判断を引き下げた日用品大手プロクター・アンド・ギャンブル（Ｐ＆Ｇ）が下げた。ニューヨーク州のクオモ司法長官が大手金融機関に09年度の報酬などに関する情報の提供を要請したと伝わった。ゴールドマン・サックスやバンク・オブ・ニューヨーク・メロン、ステート・ストリートが２％前後下げ、モルガン・スタンレーとウェルズ・ファーゴ、ＪＰモルガン・チェースも小安い。バンク・オブ・アメリカとシティグループは上昇した。

ダウ工業株30種（ドル）
終値：10663.99 前日比：45.80
始値：10620.31 高値：10676.23 安値：10591.59
年初来高値：10676.23 昨年来安値：6469.95

ナスダック総合指数
終値：2312.41 前日比：‐4.76
始値：2324.78 高値：2326.28 安値：2302.21
年初来高値：2326.28 昨年来安値：1265.52

Ｓ＆Ｐ総合500種指数
終値：1146.98 前日比：2.00
始値：1145.96 高値：1149.74 安値：1142.02
年初来高値：1149.74 昨年来安値：666.79

米30年国債 4.731％ 米10年国債 3.824％

シカゴ日経平均先物3月限（ドル建て）終値 10900 (+90)　大証終値比
シカゴ日経平均先物3月限（円建て）　終値 10845 (+35)　大証終値比