9日の米国株式市場は反発。ダウ工業株30種平均は前日比51ドル08セント高の1万0337ドル05セントで終えた。格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がスペインの格付け見通しを引き下げ、ムーディーズ・インベスターズ・サービスがアラブ首長国連邦(UAE)などの政府系企業を格下げ方向で見直した。前日に続き信用不安から売りが優勢になる場面があったが、アナリストが投資判断を引き上げた化学大手スリーエムが買われ相場全体を支えた。 10月の卸売在庫が市場予想に反して増加し、投資家心理の改善につながったとの指摘もあった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、10.74ポイント高の2183.73で終えた。
米商務省が発表した10月の卸売在庫は前月比0.3%増と、2008年8月以来のプラスとなった。市場予想の平均は0.5%減だった。企業が在庫を圧縮する動きが一巡したとの見方が広がり、相場を下支えしたとの指摘があった。欧州や中東の信用不安については、米金融機関への影響は限定的との見方もあり、下値を売り込むような動きは目立たなかった。
S&P500種株価指数も3日ぶりに反発した。業種別S&P500種指数では「素材」や「情報技術」、「ヘルスケア」など8業種が上昇。「消費循環」と「通信サービス」が下落した。売買高はニューヨーク証券取引所(NYSE)が約10億8000万株(速報値)、ナスダック市場が約18億6000万株(同)だった。
スリーエムは3%超上昇し、ダウ採用銘柄で上昇率首位となった。ダウ平均採用銘柄では製薬大手ファイザーやメルクも2%超上昇した。前日に炭素鋼製品の値上げを発表した鉄鋼大手AKスチールや同業のUSスチールも高い。アナリストの投資判断引き上げが伝わった通信大手スプリント・ネクステルが5%超上昇した。
一方、航空機・機械大手ユナイテッド・テクノロジーズがダウ平均構成銘柄で下落率首位。ホームセンター大手ホーム・デポやゼネラル・エレクトリック(GE)も下げた。2009年11月〜10年1月期が最終赤字になると発表した紳士服ディスカウントチェーンのメンズ・ウエアハウスが大幅安。通信系半導体大手テキサス・インスツルメンツ(TI)は前日夕に業績見通しの引き上げを発表したが、売りが優勢だった。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10337.05 前日比:51.08
始値:10282.85 高値:10342.27 安値:10235.63
年初来高値:10516.70 年初来安値:6469.95
ナスダック総合指数
終値:2183.73 前日比:10.74
始値:2170.02 高値:2185.70 安値:2155.96
年初来高値:2214.39 年初来安値:1265.52
S&P総合500種指数
終値:1095.95 前日比:4.01
始値:1091.07 高値:1097.04 安値:1085.89
年初来高値:1119.13 年初来安値:666.79
米30年国債 4.420% 米10年国債 3.438%
シカゴ日経平均先物12月限(ドル建て)終値 9945 (‐55) 大証終値比
シカゴ日経平均先物12月限(円建て) 終値 9950 (‐50) 大証終値比
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