8日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落。前日比104ドル14セント安の1万0285ドル97セントと11月13日以来、約3週間ぶりの安値で終えた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続落し、同16.62ポイント安の2172.99で終えた。ギリシャの格下げなどを受けて、信用リスクが意識された。利益見通しが市場予想を下回った化学大手スリーエムが下げたことも嫌気された。
売り優勢で始まった。格付け会社フィッチ・レーティングスがギリシャの長期債格付けを引き下げ、ムーディーズ・インベスターズ・サービスはアラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国の政府系企業6社を格下げしたと発表した。外国為替市場ではドルが対ユーロなどで上昇し、原油など商品相場が下落。素材株が下げたことも相場の重荷だった。投資家がリスクをとりにくくなるとの警戒感が市場心理を冷やした。ダウ平均は140ドル安まで下げる場面があった。
スリーエムが明らかにした2009年、10年の1株利益見通しの中心値が市場予想を下回った。11月の世界の既存店売上高が不振だったマクドナルドも下げ、ダウ平均の押し下げ要因となった。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約11億7千万株(速報)。ナスダック市場は約19億2千万株(同)。業種別S&P500種株価指数では「エネルギー」や「素材」など全10業種が下落した。
スリーエム、マクドナルドが下げたほか石油大手エクソンモービルや非鉄大手アルコア、化学大手デュポンなどにも売りが出た。
一方、10−12月期の売上高見通しを上方修正した半導体大手ザイリンクスが上昇。前日夕に9−11月期の1株利益が従来予想を上回ったと発表した貨物大手フェデックスも高い。中国で一般消費者向けに携帯情報端末「ブラックベリー」の販売を始める見通しと報じられた携帯情報端末大手リサーチ・イン・モーションも上げた。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10285.97 前日比:‐104.14
始値:10385.42 高値:10385.65 安値:10249.84
年初来高値:10516.70 年初来安値:6469.95
ナスダック総合指数
終値:2172.99 前日比:‐16.62
始値:2174.72 高値:2187.19 安値:2160.43
年初来高値:2214.39 年初来安値:1265.52
S&P総合500種指数
終値:1091.94 前日比:‐11.31
始値:1103.04 高値:1103.04 安値:1088.61
年初来高値:1119.13 年初来安値:666.79
米30年国債 4.377% 米10年国債 3.386%
シカゴ日経平均先物12月限(ドル建て)終値 9980 (‐140) 大証終値比
シカゴ日経平均先物12月限(円建て) 終値 9975 (‐145) 大証終値比
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