9日の米国株式相場は大幅に続伸。ダウ工業株30種平均は前日比246ドル27セント高の8083ドル38セントと、2月9日以来の高値で終えた。ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は61.88ポイント高の1652.54で終え、昨年11月5日以来約5カ月ぶりの高値を付けた。米金融機関の業績懸念を和らげる材料が出たことを好感した買いが膨らんだ。
　米銀大手ウェルズ・ファーゴが早朝、1−3月期の最終利益が約30億ドルと四半期として過去最高水準になったようだと発表。住宅ローン事業なども好調といい、金融機関の過度の業績懸念が和らいだ。ニューヨーク・タイムズ紙が9日、関係者の話として米政府による大手銀の資産査定（ストレステスト）で全19行が同テストを通過しそうだと報じ、財務不安の後退観測も市場心理の好転を誘った。

　米主要小売り各社が同日、3月の既存店売上高を発表。ウォルマート・ストアーズは既存店売上高が市場予想を下回ったため売りに押されたが、ＪＣペニーやターゲット、ギャップなどの既存店売上高は市場予想ほど悪化しなかったことが好感されて買いが優勢となった。小売株全体では買われる銘柄が多く、株価指数の押し上げにつながった。
　Ｓ＆Ｐ500種株価指数は31.40ポイント高の856.56と、2月9日以来の高値で終えた。業種別Ｓ＆Ｐ500種株価指数（全十業種）は「金融」が15％急伸するなど八業種が上昇。半面、「公益」「消費安定」が下げた。フィラデルフィア証券取引所の半導体株指数（ＳＯＸ）は5％近く上昇して終えた。
　ニューヨーク証券取引所（ＮＹＳＥ）の売買高は約18億3000万株（速報値）、ナスダック市場は約21億株（同）だった。
　ウェルズ株の上昇率は3割を超えた。バンク・オブ・アメリカも3割超上昇し、ＪＰモルガン・チェース、シティグループ、アメリカン・エキスプレスはそろって二ケタの上昇率。ＪＣペニーは12％上昇。Ｓ＆Ｐの「小売株指数」は4％超上げた。アナリストが目標株価などを引き上げたアップルも堅調だった。
　半面、ウォルマートは4％近く下げた。メルクが安い。

ダウ工業株30種（ドル）
終値：8083.38 前日比：246.27
始値：7839.89 高値：8087.28 安値：7839.89
年初来高値：9088.06 年初来安値：6469.95

ナスダック総合指数
終値：1652.54 前日比：61.88
始値：1619.09 高値：1652.54 安値：1616.59
年初来高値：1665.56 年初来安値：1265.62

Ｓ＆Ｐ総合500種指数
終値：856.56 前日比：31.40
始値：829.29 高値：856.91 安値：829.29
年初来高値：943.85 年初来安値：666.79

米30年国債 3.752％ 米10年国債 2.921％

「シカゴ日経平均先物（ＣＭＥ）」（9日）
JUN09
Ｏ 8735（ドル建て）
Ｈ 9170
Ｌ 8735
Ｃ 9120 大証比+190（イブニング比+200）
Vol 8818

Ｏ 8635（円建て）
Ｈ 9100
Ｌ 8635
Ｃ 9055 大証比+125（イブニング比+135）
Vol 11440