12日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸し、前日比12ドル85セント高い1万0624ドル69セントと1月19日以来ほぼ1カ月半ぶりの高値で終えた。一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合指数は小幅ながら7営業日ぶりに反落し0.80ポイント安の2367.66で終えた。経済指標が強弱まちまちだったため、前日終値を挟んだ方向感に乏しい展開が続いた。16日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えていることもあって、様子見姿勢が強かった。
2月の米小売売上高は市場予想に反して増加した。一方、3月の消費者態度指数(速報値、ミシガン大調べ)は低下。消費関連指標の強弱感が対立したため、積極的な買いは入りにくかった。ダウ平均は終値ベースで1月19日に付けた今年の最高値(1万0725ドル)が迫っており、高値圏では利益確定売りが出やすかった。
S&P500種株価指数は0.25ポイント安の1149.99と小幅ながら4営業日ぶりに反落した。業種別S&P500種指数は、「公益」や「金融」、「ヘルスケア」など全10業種中で5業種が下げた。「一般産業」と「素材」、「消費循環」などが上昇した。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約10億5000万株(速報値)、ナスダック市場は約20億株(同)。
2010年1〜3月期の1株利益が09年10〜12月期を下回るとの見通しを示したネット証券大手チャールズ・シュワブが3%超下落。市場予想を上回る四半期決算を発表した女性衣料専門チェーンのアン・テイラーも、材料出尽くし感から売りが優勢になった。上昇が続いていた米銀大手シティグループは9営業日ぶりに下げた。
ダウ平均採用銘柄では米銀大手バンク・オブ・アメリカが売られ、下落率首位。がん治療薬の臨床試験を中止すると前日に発表した製薬大手のファイザーも下げた。10年12月期の収益見通しの据え置きを発表した航空機・機械大手のユナイテッド・テクノロジーズも下げた。
小売売上高の増加を好感し、百貨店のメーシーズや家電量販店のベスト・バイが上昇した。ダウ採用銘柄ではゼネラル・エレクトリック(GE)が3%超上昇し、上昇率首位。建機大手キャタピラーやカード大手アメリカン・エキスプレス(アメックス)も買われた。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10624.69 前日比:12.85
始値:10611.77 高値:10644.95 安値:10594.84
年初来高値:10729.89 昨年来安値:6469.95
ナスダック総合指数
終値:2367.66 前日比:‐0.80
始値:2376.07 高値:2376.28 安値:2358.08
年初来高値:2376.28 昨年来安値:1265.52
S&P総合500種指数
終値:1149.99 前日比:‐0.25
始値:1151.71 高値:1153.41 安値:1146.97
年初来高値:1153.41 昨年来安値:666.79
米30年国債 4.628% 米10年国債 3.704%
シカゴ日経平均先物6月限(ドル建て) 終値 10800 (+120) 大証終値比
シカゴ日経平均先物6月限(円建て) 終値 10740 (+60) 大証終値比
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