10日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に続伸し、前日比2ドル95セント高い1万0567ドル33セントと1月20日以来ほぼ1カ月半ぶりの高値で終えた。信託優先証券の発行で20億ドルを調達したと伝わった米銀大手シティグループが買われるなど、金融株が上昇して相場の支えになった。一方、金先物相場などの下落で資源株が売られ、相場全体の上昇幅は限られた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合指数は5日続伸し、18.27ポイント高い2358.95と2008年8月29日以来、約1年半ぶりの高値で終えた。
シティは信託優先証券の発行のほか、前日には不動産投資部門の投資ファンドへの売却で合意したと伝わっていた。シティは3%超上昇した。金融機関の事業環境が改善しているとの見方から、バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)やJPモルガン・チェースも買われ、ダウ平均を支えた。米ウォールストリート・ジャーナル紙などが「英銀大手バークレイズが米銀の買収を検討している」と報じたことを受けて、サントラスト・バンクスなど地銀株にも買いが入った。
S&P500種株価指数は5.16ポイント高の1145.61と1月19日以来の高値で終えた。業種別S&P500種指数は、「金融」や「IT(情報技術)」、「エネルギー」など全10業種中7業種が上昇。「消費安定」と「通信サービス」、「素材」が下げた。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約11億4000万株(速報値)、ナスダック市場は約24億2000万株(同)。
中国政府にインターネットの検閲撤廃を求めている問題でエリック・シュミット最高経営責任者(CEO)が「近く何かが起こる」と述べたと伝わったネット検索大手グーグルが3%弱上昇した。四半期決算と同時に示した収益見通しが市場予想を上回った米衣料大手アメリカン・イーグル・アウトフィッターズも買われた。
ダウ平均採用銘柄では航空機大手ボーイングが3%超上げ、上昇率首位となった。半導体大手インテルやマイクロソフトも上昇した。
一方、四半期決算が大幅減益となり1株利益も市場予想を下回ったトラック大手ナビスター・インターナショナルが大幅安。ダウ採用銘柄では保険大手トラベラーズが売られたほか、製薬大手メルクやネットワーク機器大手シスコシステムズが下げた。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10567.33 前日比:2.95
始値:10560.13 高値:10601.79 安値:10526.52
年初来高値:10729.89 昨年来安値:6469.95
ナスダック総合指数
終値:2358.95 前日比:18.27
始値:2340.95 高値:2361.66 安値:2340.69
年初来高値:2361.66 昨年来安値:1265.52
S&P総合500種指数
終値:1145.61 前日比:5.16
始値:1140.22 高値:1148.26 安値:1140.09
年初来高値:1150.45 昨年来安値:666.79
米30年国債 4.694% 米10年国債 3.725%
シカゴ日経平均先物3月限(ドル建て)終値 10620 (+50) 大証終値比
シカゴ日経平均先物3月限(円建て) 終値 10615 (+45) 大証終値比
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