9日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は小反発し、前日比11ドル86セント高の1万0564ドル38セントで終えた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4日続伸し、8.47ポイント高の2340.68と、2008年9月2日以来の高値で終えた。ネットワーク機器大手のシスコシステムズが新たな超高速・大容量ルーター(ネット接続機器)を発表したことを手掛かりに通信大手に買いが入り、相場を支えた。
シスコの新機能により通信量が増えるとの見方から業績拡大期待が強まり、AT&Tなど通信株が上昇した。オバマ米大統領がギリシャのパパンドレウ首相と会談したが、株式相場での反応は大きくなかったという。金融危機を機に急落したダウ平均が底値を付けた昨年3月9日からちょうど1年経過し、この間の上昇率は6割超に達した。
業種別S&P500種株価指数(全10業種)は「通信サービス」「一般産業」など5業種が上昇。一方、「素材」など5業種が下落した。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約11億2000万株(速報値)、ナスダック市場は約24億7000万株(同)だった。
シスコは横ばい。一時は2008年6月以来約1年9カ月ぶりの高値を付けたが、取引終了にかけ利益確定売りが出て伸び悩んだ。前日夕に1〜3月期の業績見通しの下限を引き上げた通信系半導体大手テキサス・インスツルメンツ(TI)が2%安。
人員削減などのリストラ策を発表した石油大手シェブロンが小幅安。仏製薬大手のサノフィ・アベンティスと合弁会社を創設し、両社の動物向け薬品部門を統合すると発表した米製薬大手メルクも安い。
一方、アナリストが投資判断を引き上げた航空機・機械大手ユナイテッド・テクノロジーズがダウ工業株30種平均の構成銘柄で上昇率首位だった。アナリストが投資判断を引き上げたファストフード大手ヤム・ブランズが高い。1〜2月の既存店売上高が減少した飲食チェーン大手バーガー・キングは上昇した。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10564.38 前日比:11.86
始値:10552.24 高値:10612.60 安値:10533.93
年初来高値:10729.89 昨年来安値:6469.95
ナスダック総合指数
終値:2340.68 前日比:8.47
始値:2325.78 高値:2353.07 安値:2325.74
年初来高値:2353.07 昨年来安値:1265.52
S&P総合500種指数
終値:1140.45 前日比:1.95
始値:1137.56 高値:1145.37 安値:1134.90
年初来高値:1150.45 昨年来安値:666.79
米30年国債 4.679% 米10年国債 3.704%
シカゴ日経平均先物3月限(ドル建て)終値 10590 (+30) 大証終値比
シカゴ日経平均先物3月限(円建て) 終値 10585 (+25) 大証終値比
PR