8日の米国株式市場で、ダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに小反落。前週末比13ドル68セント安の1万0552ドル52セントで終えた。前週末に1カ月半ぶりの高値を付けた後とあって、利益確定売りがやや優勢となった。ただ、9日にインターネット関連で重要な発表をすると明らかにしたネットワーク機器大手シスコシステムズなどが買われたため、下げ幅は限られた。
ナスダック総合株価指数は3日続伸し、同5.86ポイント高の2332.21と2008年9月3日以来、約1年半ぶりの高値で終えた。
前週末は2月の雇用統計が市場予想ほど悪化しなかったことを好感し、ダウ平均は100ドルを超える大幅高となっていた。8日は重要な経済指標や企業業績の発表が少なかったため動意に乏しく、ひとまず利益を確定させる動きがやや優勢となった。ダウ平均の値幅は45ドルと小さかった。
ただ、シスコなどハイテク株の一角が業績期待から買われたほか、M&A(企業の合併・買収)の活発化の思惑を背景とした買いも入り、ダウ平均は高く推移する場面もあった。保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が傘下のアメリカン・ライフ・インシュアランス・カンパニー(アリコ)を同業のメットライフに売却すると発表している。
業種別S&P500種株価指数では全10種のうち「一般産業」や「ヘルスケア」など6業種が下落。一方、「通信サービス」や「消費循環」などが上げた。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約9億1000万株(速報値)、ナスダック市場(同)は約21億1000万株だった。
前週末に訴訟関連費用の発生で、2009年11月〜10年1月期の利益を下方修正したパソコン大手ヒューレット・パッカード(HP)が小安い。アナリストが投資判断を引き下げた鉄鋼大手AKスチールは3%下げた。化学大手スリーエムやクレジットカード大手アメリカン・エキスプレス(アメックス)が1%超下落した。
一方、シスコは3.7%上げ、ダウ平均構成銘柄で上昇率首位。AIGは4%弱、メットライフは5%上げた。2月の世界の既存店売上高が前年同月比4.8%増えたと発表したマクドナルドは2%上昇。アナリストが投資判断を引き上げたUSスチールも高い。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10552.52 前日比:‐13.68
始値:10563.78 高値:10587.74 安値:10542.39
年初来高値:10729.89 昨年来安値:6469.95
ナスダック総合指数
終値:2332.21 前日比:5.86
始値:2326.25 高値:2335.43 安値:2326.11
年初来高値:2335.43 昨年来安値:1265.52
S&P総合500種指数
終値:1138.50 前日比:‐0.20
始値:1138.40 高値:1141.05 安値:1136.77
年初来高値:1150.45 昨年来安値:666.79
米30年国債 4.691% 米10年国債 3.723%
シカゴ日経平均先物3月限(ドル建て)終値 10625 (+45) 大証終値比
シカゴ日経平均先物3月限(円建て) 終値 10620 (+40) 大証終値比
PR