6日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに小反落し、前日比3ドル56セント安の1万0969ドル99セントで終えた。ダウ平均が前日に約1年半ぶりの高値を付け、心理的な節目である1万1000ドルに近づいたため、利益確定目的の売りが出やすかった。半面、世界的な景気回復期待から素材株などが上昇し、下値も堅かった。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸し、同7.28ポイント高の2436.81と2008年8月以来、約1年8カ月ぶりの高値で終えた。
財政危機に直面するギリシャへの支援策をめぐる不透明感が再燃し、投資家がリスクを取りにくくなるとの見方から、朝方は売りが先行した。ただ景気回復期待や原油先物相場上昇を手掛かりにアルコア、デュポンといった素材株や、一部エネルギー株への買いは続いた。アナリストが米大手銀行株の投資判断を引き上げたことを好感し、金融株にも上げが目立った。
午後に米連邦準備理事会(FRB)が公表した連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨(3月16日開催分)では、金融引き締めについて一部の委員が「現状では早く始めるリスクの方が遅く始めるリスクより大きい」と指摘していることがわかった。FRBが超低金利政策を当面続けるとの見方が改めて広がると、ダウ平均は上げに転じる場面もあった。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約9億4千万株(速報)。ナスダック市場は約21億5千万株(同)。業種別S&P500種株価指数(全10 業種)では、「金融」「公益」など7業種が上昇した。
個別銘柄では、前日、所有する炭鉱で爆発事故が発生した石炭大手マッセイ・エナジーが大幅安。アナリストが投資判断を引き下げた住宅大手KBホームも売られた。ラフード運輸長官が前日、リコール(回収・無償修理)問題で制裁金を課すと発表したトヨタの米預託証券(ADR)も安い。
人員削減を含むリストラ策を米証券取引委員会(SEC)に届け出たソフトウエア大手のCAが下落。 2010年に10億ドルの設備投資を計画していると発表した通信大手AT&Tは横ばいで終えた。
一方、大手銀行株ではバンク・オブ・アメリカなどの上昇が目立った。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10969.99 前日比:‐3.56
始値:10972.49 高値:10987.38 安値:10927.52
年初来高値:10988.06 昨年来安値:6469.95
ナスダック総合指数
終値:2436.81 前日比:7.28
始値:2420.33 高値:2443.50 安値:2417.77
年初来高値:2443.50 昨年来安値:1265.52
S&P総合500種指数
終値:1189.44 前日比:2.00
始値:1186.01 高値:1191.80 安値:1182.77
年初来高値:1191.80 昨年来安値:666.79
米30年国債 4.837% 米10年国債 3.956%
シカゴ日経平均先物6月限(ドル建て)終値 11355 (+75) 大証終値比
シカゴ日経平均先物6月限(円建て) 終値 11320 (+40) 大証終値比
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