7日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比72ドル47セント安い1万0897ドル52セントで終えた。主要な株価指数が直近の高値圏にあったことから、利益確定目的の売りが優勢になった。原油など商品先物相場が下落し、素材株が売られたことも相場の重荷になった。ダウ平均の下落幅は一時 120ドルを超えた。
ダウ平均の終値段階での下げ幅は2月23日以来の大きさ。ハイテク株の比率が高いナスダック総合指数は4営業日ぶりに反落し5.65ポイント安い2431.16で終えた。
この日は原油先物やガソリン先物、銅先物相場などが下落。素材価格の下落が業績に与える悪影響が意識され、非鉄大手のアルコアが2%近く下落。ダウ平均採用銘柄で下落率首位となった。米連邦準備理事会(FRB)が発表した2月の消費者信用残高が前月比115億ドル減と、市場予想(10億ドル減)より大幅に減った。カード大手のアメリカン・エキスプレス(アメックス)が売られたことも指数を押し下げた。
午後に債券市場で米10年物国債の入札が順調な結果となり、米国債利回りが急低下すると、金利上昇懸念の後退から株式相場は下げ幅を縮める場面があった。ただ、相場の戻りは鈍く、次第に売りが膨らんだ。
業種別S&P500種指数は全10業種が下落した。「通信サービス」が2%超下落したほか、「エネルギー」や「公益」、「素材」の下げも目立った。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約11億6000万株(速報値)、ナスダック市場は約27億9000万株(同)。
朝方に発表した2009年12月〜10年2月期決算の実績が市場予想を下回り、見通しも慎重と受け止められた農業製品大手モンサントが2%超下落した。アナリストが投資判断を引き上げた携帯電話大手ノキアも買い先行後に下げに転じた。高級車大手の独ダイムラーも下げた。日産自と仏ルノーはダイムラーと資本・業務提携したと正式に発表した。
一方、四半期決算で1株利益や収益見通しが市場予想を上回ったディスカウントストア大手のファミリー・ダラー・ストアーズが3%上昇した。アナリストが投資判断を引き上げたと伝わった地銀のキーコープも小幅高となった。ダウ構成銘柄では米大手銀バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)が上昇率首位。製薬大手ファイザーやネットワーク機器大手シスコシステムズも上昇した。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10897.52 前日比:‐72.47
始値:10961.95 高値:10962.66 安値:10845.45
年初来高値:10988.06 昨年来安値:6469.95
ナスダック総合指数
終値:2431.16 前日比:‐5.65
始値:2433.10 高値:2442.27 安値:2418.73
年初来高値:2443.50 昨年来安値:1265.52
S&P総合500種指数
終値:1182.45 前日比:‐6.99
始値:1188.23 高値:1189.60 安値:1177.25
年初来高値:1191.80 昨年来安値:666.79
米30年国債 4.742% 米10年国債 3.861%
シカゴ日経平均先物6月限(ドル建て)終値 11290 (±0) 大証終値比
シカゴ日経平均先物6月限(円建て) 終値 11260 (‐30) 大証終値比
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