1日の米国株式市場は反発し、ダウ工業株30種平均は前日比70ドル44セント高の1万0927ドル07セントと2008年9月26日以来約1年半ぶりの高値で終えた。雇用指標や製造業の景況感を示す指標が改善し、米景気の回復傾向が一段と鮮明になったとみた投資家が買いを入れた。アジアや欧州の株高も米株相場を支えた。大型の景気敏感株のほか、原油高を背景に素材・エネルギー株が堅調だった。ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は同 4.62ポイント高の2402.58だった。
米労働省が朝方発表した週間の新規失業保険申請件数が減少し、前日の民間調査で浮上した「米雇用回復が遅れる」との観測を和らげた。米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した3月の製造業景況感指数が市場予想を超えて2004年7月以来の高水準となり、製造業の受注や生産活動がさらに活発になったことを裏付けた。
この日はアジアや欧州の株式相場がやはり製造業の景況感改善を手掛かりに軒並み高。世界景気拡大で需給が引き締まるとの見方から原油など国際商品相場も急上昇した。アルミ大手のアルコアや石油大手のシェブロン、新興国で利益を稼ぐ建機のキャタピラーなどに買いが向かった。
あす2日は聖金曜日の祝日で株式市場が休場。注目される米雇用統計の発表もあるため、午後は様子見ムードが広がった。ハイテク株の一角に利益確定売りが出てナスダック指数は下げに転じる場面があった。
ダウ平均構成銘柄は8割にあたる24銘柄が上げ、アルコアが上昇率首位だった。業種別S&P500種株価指数は「素材」「エネルギー」をはじめ全10種が上昇した。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約9億2000万株(速報値)、ナスダック市場は約22億万株(同)。
資源高を受けニューモント・マイニングなど鉱山株が大幅高。3月の米新車販売が前年同月比でともに約4割増加したフォード・モーターと、トヨタの米預託証券(ADR)がそれぞれ小幅高。多機能携帯端末「iPad(アイパッド)」を今週末発売するアップルは伸び悩んだ。
アナリストの投資判断引き下げが伝わった資産運用大手のブラックロックが安い。前日夕発表の決算内容が市場予想を下回った携帯情報端末大手リサーチ・イン・モーションは投資判断の引き下げもあり急落。前日夕に好決算を発表した半導体のマイクロン・テクノロジーは下げに転じて終えた。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10927.07 前日比:70.44
始値:10857.31 高値:10956.39 安値:10857.31
年初来高値:10956.39 昨年来安値:6469.95
ナスダック総合指数
終値:2402.58 前日比:4.62
始値:2411.68 高値:2423.43 安値:2383.77
年初来高値:2432.25 昨年来安値:1265.52
S&P総合500種指数
終値:1178.10 前日比:8.67
始値:1171.23 高値:1181.43 安値:1170.69
年初来高値:1181.43 昨年来安値:666.79
米30年国債 4.733% 米10年国債 3.872%
シカゴ日経平均先物6月限(ドル建て)終値 11390 (+160) 大証終値比
シカゴ日経平均先物6月限(円建て) 終値 11355 (+125) 大証終値比
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